短編
□エスプレッソ
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景気付けのばずで淹れたエスプレッソが思いの外濃くて、その渋みに顔をしかめずにはいられない。くうー、とか呻いて顔を歪めてみるが、味覚には影響がないらしかった。
いっそミルクでも入れてカフェラテにしようかと思ったが、甘いのは好きじゃない。
「……」
好きじゃないと言われたなら幾分ましか。
オブラートというやつはなかなか厄介者で、それがあるが故により深手を負ってしまうことだってあるのだ。
かぶりを振って、エスプレッソを啜り上げた。
エスプレッソ
(それは苦い苦い恋の味)
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