かけらことばのおんなのこ

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 翌日から、遂に一週間を切った文化祭当日に向けて、準備の大詰めが始まった。

 男子は主に接客練習に時間を割いていたので、やまとの店である程度慣れていた俺は暇になることが多かった。
 そしてそんなときは大抵、春瀬のことをぼんやりと考えていた。
 涼太は接客用語を覚えるのに必死だし、蘭奈は双子達とイラ研の作品作りに夢中だったので、そんな俺を止める人間もいない。

 それでもやはり日が迫るにつれ忙しくなり、俺も少しずつ我に返っている時間が増えていった。春瀬のことは徐々に頭の隅に追いやられていく。



 そんな状態で、文化祭当日はやってきた。






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