Forever

□出会い
1ページ/3ページ

「――っ!」

 男の子が一人、地面に勢いよく尻餅をついた。
 自分で意図していないからだろう、男の子の顔は痛みに歪み、着いた手や足に小さな擦り傷がいくつもできた。

「やーい、弱虫っ」

 転んだ男の子の真上に被さるように、影が三本ほど伸びた。
 真ん中のいかにもいたずら好きそうな、日に焼けた男の子がへへんっと笑う。

「都会生まれだからって偉そうにしてんじゃねえぞ!」

 日焼け少年に続いて、他の男の子たちも声を揃える。

 そーだそーだ!
 お前なんか、都会に帰っちまえ!

 突き飛ばされた男の子は、今にも泣き出しそうな顔をした。

「ち、違うよ…」

 こぼれた言葉はあまりに弱々しく、かえって立っている少年たちの怒りを大きくさせた。

「なんだよ、そんな小さい声じゃあ聞こえないぞ」

「ち、違うよ!……偉そうにしてなんか、ないよ」

「嘘つくなよ!」

 少年たちの怒りは静まらない。
 三人のうち一人が、足下の小枝を拾い上げた。

「お前なんか、また引っ越しちゃえばいいんだ!」

 それを、座り込んだ少年に投げつける。
 周りの少年たちも一緒になって、次々と枝や小石を拾っては投げた。

 座り込んだ少年は、顔を手で覆って、痛い痛い、と蚊の鳴くような声で呟く。

 そして、いよいよもって少年は泣き出した。
 わんわんと、声を上げる。

「やーい、泣き虫ー」

 いじめっ子少年達が、楽しそうに囃し立てた、その時だった。


「ちょっとあんた達!いい加減にしなさい!」


 強そうな女の子の声が響き渡った。

 いじめっ子達は声の主を知っているのか、若干引きつった顔をそちらに向ける。
 座り込んだ少年も、ちらとそちらを見上げた。

 立っていたのは、紅蓮の髪をきらめかせた少女。
 その髪と同じ紅の瞳を細めて、仁王立ちで少女は言った。

「引っ越してきた子には、優しくしなきゃいけないんだよ!というより弱い者いじめは私が許さない!」

「な、なんだよ!――だってこいつがいけないんだよ、都会育ちだからって…」

 少年達の言い訳に、少女は更に眉を吊り上げた。

「都会は都会で大変なのよ!」

 何やら言っていることは多少ずれているが、それでも効果はあった。
 怒鳴りつけただけに、少年達は背筋を一瞬で緊張させる。

 それだけで、この少女がこの辺りでどのような存在なのかがよくわかった。

「…ちえ、行こうぜ」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ


©フォレストページ