Forever
□第四章
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レイダはしばらくその背中を見送る。
ふう、とため息をつくと、彼も左の道へ歩き出した。
* *
翌日。
レイダは、休み時間にリードの教室へ向かった。
昨日のクアルとの出来事を、話そうと思ったのだ。
「リード、どう思うかな?」
レイダは、嬉しさに顔がにやけてしまうのを堪えて、リードの教室を覗いた。
「……あれ?」
リードがいない。
レイダは周りを見回して、
「誰か探してんの?」
教室から出てきた男子に尋ねられた。
「あっ、あっ、えっと…り、リードは?」
かなり舌をもつらせながら何とか聞くと、
「んー…今日はまだ来てないと思うけど」
「あ、そうですか、わかりました」
「同い年に敬語使うなよ、気持ち悪いな。――スタインなら、たぶんまたホーナとサボってんだろ」
男子生徒はそう言って、じゃあな、と廊下を歩いていった。
「ホーナって…クアルのこと?」
聞き覚えのある名に、レイダは何か引っかかりを覚えた。
立ち尽くして、考え込む。
そのまま、チャイムが鳴るまで、レイダはぼーっと突っ立っていた。
放課後には、リードは登校していたようで、部活にはやってきた。
「おう、レイダ。悪いな、今日来てたんだろ?教室」
「あ、うん。でも大丈夫、大した用事じゃなかったから」
「そうか、よかった。――そうだ、今日ちょっとクアル来れないって」
「うん・・・わかった」
――スタインなら、たぶんまたホーナとサボってんだろ
男子生徒の言葉が頭をよぎって、レイダは頭を振った。
言葉を振り落とした気になって、記憶を隅に追いやって、
「じゃあ、練習しようか」