Forever
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「レイダにも嫌われちゃった上に、アスアにまで嫌われちゃったか」
「え?」
「あいつなら大丈夫だよ。考える時間が欲しかっただけだって。明日には来るよ。結論出して」
「それって、リードたちとこれからどうするかっていう?」
「ああ。――もっとも、どんな風に結論を出してくるかは、何となく分かるけどな」
「……な、なに?」
ビクターはアスアから目を逸らし、そっぽを向いた。
「レイダ、似てんだもん」
「誰に?」
「……中学のときの、カズトにさ」
「……」
「たぶんあいつは、俺たちの望まない方向で考えをまとめてくると思う」
「……どうするの?」
ビクターは視線を戻して、寂しそうに笑った。
「できれば、俺のこと庇ってくれよ。――もう一年、留年しないようにさ」
翌日の放課後。
「んー、オルデン、今日も欠席か」
担任はそう言って、名簿のレイダ・オルデンの欄を“遅刻”から“欠席”に訂正した。
「せめて連絡くれれば良いんだけどねえ。サンディスは今日も何も?」
「はい。聞いてないです」
アスアは苦々しく呟くと、鞄を背負って、
「部活行きます。さようなら」
「はいよ。また明日」
呑気に返す担任には目もくれず、教室を後にした。