Forever
□レイダの休日
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今日は、久しぶりの休日。
軽音部の集まりもありません。
「…というか、クアルが来ないからお流れになったんだけどね」
レイダは、誰も聞いていないのに一人、言い訳をしました。
そして、そんな彼の休日の予定は、
土曜日。一日ずっと復習。
日曜日。一日ずっと予習。
うっわつまんねえ人間!なのでありました。
その頃、とある隣家では、
「おっはよう」
「おはよう兄貴。朝からテンション高いね。珍しい」
「そうかー?」
「うん。今日は槍でも降るかな」
「いやさ、実は昨日、カナっちとさあ――」
「ノロケは聞かん」
「ちぇーけちー」
「ふんだ」
「……ところでさ、今日どうすんだ?暇じゃん」
「私は勉強するんだけど。っていうか、レポートが終わらない。本気で意味が分からない」
「……。ごめん、中卒の兄貴には何もしてやれない」
「本当、役立たず」
「……」
「…だから、レイダに教えてもらう」
「おお!あのレイダがよく了承したな!」
「まさか。これから乗り込むのよ」
「……わが妹よ」
「なんじゃ」
「その作戦、俺も参加していいか?面白そうだから。そして俺今日暇だから。一人で家にいるのつまんないから」
「…許可する」
そんな、密談がなされていました。
昼。
「えーと、ワイイコールエフエックスを微分するから…」
レイダは、順調にレポートを仕上げ、数学の復習に取り掛かっていました。
家は今、レイダ以外誰もいません。
父親は大学で講義を展開している最中。
母親は、地下の化石でも掘り起こしているか。
とにかく、誰もいません。
「エックス二乗の導関数は…」
レイダは激しく独り言ちながら、問題を問いて、
ピンポーン
チャイムが鳴りました。
「ああもう…こんな時に」