Forever

□第三章
1ページ/11ページ

「では、今日はバンド決めをします。まあ私が仕切る必要もないので、みんなでやってちょうだい」

 エドカイ先生の言葉の直後、

「エナ!組むよね」

 間髪を容れずにアスアが言って、

「いいけど…強制なの?」

「強制はしないけど、組まない訳ないよね?」

「えーっと…そうね…」

 エナは呆れた。

「ようし!じゃあと一人、メンバー探しましょ!」

「え?一人なの?それだと三人にしかならないけど…」

「だって、私スリーピースガールズバンド組みたいんだもん。エナもでしょ?」

 屈託のない笑顔で笑うアスアに、

「……」

 エナは絶句。

「さあ、私とバンドを組める幸運の持ち主を探しに行くぞ!」

 こうしてアスアは、軽音部員の群れの中を、エナを引きずって歩き出した。


 三十分後。メンバー候補は一人も上がらなかった。
 そもそも今年の一年生に、女子はほとんどいないのだ。

「……」

 黙りこんで意気消沈するアスアを、

「アスア…」

 エナは見つめ、

「こうなったらガールズは諦めてもう一人探しに行きましょ?」

 そう提案。
 刹那、

「やだっ!ガールズ組むの!」

 アスアは噛みついた。

「そう。じゃあ、」

 ところが、エナはちっとも気分を害していなかった。
 むしろ嬉しそうに、

「一般生徒を、誘ってみようよ」

 そう提案した。

 アスアは驚いて、エナを見つめて、

「――もうっ!エナ大好き!」

 今度は抱きついた。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ