かけらことばのおんなのこ

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「ナンダヨ。マジで言ってるんだぜ」

「だったら余計に嫌だ」

 マークはちぇと舌打ちすると、

「じゃあせめて、プリクラは見せろヨ」

 ニヤニヤしながらそんな発言。

「嫌だ。なんでお前なんかに」

「なんでってそいつが可愛いのかどうか見たいジャネーカ」

「本当にろくでもない奴だな」

「どうせろくでもないですよーダ。いいから見せろよ」

「……」

 マークの口ぶりには呆れたが、こんなろくでもない奴に大事なプリクラを見られる有田が何だか小気味いい気がして、オレは鞄に無造作に突っ込んであったプリクラを取り出した。
少ししわが寄っていた。

「何だヨ、イマドキの輩はそういうの財布に入れるって聞いたゼ」

「不吉だからな」

「ああ。納得」

 冗談で言ったのに納得されてしまった。
 マークは受け取ったプリクラを上から下までじっくりたっぷりと眺めた。
 ここに有田がいたら鳥肌ものだっただろう。
 ちょっといい気味。

「フーン。ま、普通だナ」

「……軒並みな感想だな。やっぱり見せるんじゃなかった」

「イヤイヤ、見せて正解ダ。お陰で一つ大発見があったからナ」

「え? なんだ?」

「有田という女子が、特別可愛いという訳でもないって事ダ!」

「……人の彼女にケチつけるな」

「振られたクセに。プププ」

「まだ振られてないぞ、この野郎」

 少なからず大発見とやらに期待していた俺はがっくりと肩を落とした。

「やっぱり見せるんじゃなかった」

「二回目だナ」

「お前が言わせたんだろうが!」

「アハン?」

「急に取ってつけたような相づち打つな!」
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