逢色番外編
□普通に日常
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「朝のホームルームを始めます。」
「はぁ〜い」
「もうすぐ、創立記念前夜祭があります。去年は、魔女メデューサの事もあって大変でしたが今年は無事に終わらせましょう。」
そう。もうすぐ前夜祭。
シュタインがそう言って、生徒達は楽しみなのだろう。
「今年も、みなさんドレスやスーツで来て下さい。」
「それ以外で来るやついるか。」
ハンナにドナーが突っ込む。
「ちなみに、前夜祭の時はダンス、料理、ドリンク付きです。」
「毎年やってんだからそんくらい知ってる。」
「えー…あと、今日の午前中の授業内容ですが、武器と職人でその武器の攻撃スタイルごとに、トレーニングをしたいと思います。ドナー先生が今から配る紙をみて、それぞれの場所へ、移動して下さい。」
「お前が配れ。」
「何なのよさっきから…」
「自己意見。」
「いい加減にしなさい!」
怒りで震えているハンナを、シュタインは後ろから羽交い締めにした。
「ドナー!後で覚えておきなさい!」
「あーもう忘れた。」
シュタインは、怒りで手が付けられなくなる前に、ハンナと教室の外に出ようとした。
「離せシュタイン!コラッ」
「離したら暴れるでしょ?」
大変そうなシュタインを、ドナーも手伝う。
「離しなさい!」
生徒達は、シュタイン達を見ながら心の中でどちらかを応援していた。
「ハンナ先生も大変そうだね。」
マカが、椿に言う。
「ですよね…ドナー先生も結構言うことキツイから…」
三人が廊下に出ている間、廊下からは叫び声や、ハンナの恐ろしい声が聞こえた。
「離せ!」
「うあっ」
何かがぶつかる音がした。
教室に入って来たのはハンナ一人。
乱れた服を整えながら、歩いて教卓の前に立った。
「さて。話の続きをしましょう。」
いつものポーカーフェイスで話すハンナに、生徒は少なからず恐れを抱いている。
(この人は、絶対に敵にまわせねぇな…)
「「賢明な判断だソウル」」
「何で分かったんだよ」
服の乱れたシュタインとドナーがハモる。
すると、ハンナは二人の方へ歩いて行った。
三人が廊下に出た後、鈍い音と、何かを殴り続けているような音が聞こえた。
しばらくして、廊下からは無傷のハンナ一人がでてきた。
さっき以上に乱れた服を直しながらまた、話し始める。