その他
□山なし落ちなし意味なし
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「我が師は、孔明様はきっと僕のことなんてどうでもいいんですよぉー!」
ヒクッと泣きながら荒れる陸遜。
彼の片手に握られているのは・・・お酒。
その普段の彼からは考えられない
荒れっぷりに、つきそっていた諸葛謹は思わず
ため息をついた。
ことの始まりは2時間前。
諸葛謹はせっかくの満月なので
月見でもするかと陸遜宅に顔を出しに
きたのだ。
因みに凌統は連日の訓練に疲れて
先に就寝してしまっている。
勿論、陸遜を誘ったのにも
ちゃんと諸葛謹なりの訳がある。
最近、陸遜には蜀についた孔明の
考えが分からないらしく、
そのことを陸遜はずっと気にかけていた。
更に今日もせっかく敬愛する師に
会いに行ったというのに、
趙雲に途中で邪魔されたらしい。
その余りの落ち込み様に、
少しでも気晴らしが出来ればという
諸葛謹なりの気遣いで彼を誘ったのだ。
すべての元凶も自分の弟のせいだし。
そうしたらこの荒れようだ。
陸遜のあの性格からして、余程溜め込んでいたに違いない。
「孔明様のばかぁー!」
・・酒の力は恐ろしい。
が、このままにしておいてはさすがに近所迷惑だろうと思い。彼は陸遜の頭をぽんぽんと優しく撫でた。