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□「ぼく・・、淋しい、よ」
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『えぇええ?!』

「ごめん・・、クダリ、ノボリ・・・」



ポケモンセンターの一角。

そこにおかれた通信機に映るのは
顔のよく似た白黒の男達。

驚いたその顔に、必死で謝っているのは
銀に近い灰色の髪を駅員のような帽子の中にしまいこみ、

灰色のコートを羽織、高いヒールをはいた女性だった。


「大丈夫!
一旦荷物とりにそっちに帰るし。
レッドのバッジ集めに付き合うくらいなんだから!」

『私達にとっては一週間でも長く感じてしまうんです!』

「え・・」

『そうだよ!!
三日で禁断症状出るんだよ!僕等!』

「きっ、禁断症状?!」

『ぼく、言葉遣い変わる』

『で、バトルが荒くなりますね』

「そうなの?!」


呆れ顔でルークはとりあえず、戻るね。と通信を切った。

そして、ロビーで待つレッドの元へと向かった。


「ごめんね、レッド」

「・・。いえ。
こんな無茶なお願いを聞いてくれてありがとうございます」

「いえいえw
僕も最近暇。あの二人には悪いけど」


このやり取りの数時間前、
シロガネ山頂上ではこんな会話があった。












































「俺をイッシュで鍛えてください」

「・・・へ?」


くおんを手持ちに戻したルークはボールを持ったまま固まる。


「・・・駄目、ですか?」

「あ、・・いや。
駄目では、ないけど・・・。うーん」


腰にボールを戻し、
考えて、一言。


「うん!いいよ!
一緒にジム巡りしよう!」

「え・・・。
いいんですか?」

「僕暇!だからいい!
二人には『絶対に負けるな』っていっておく!」


腰から、ビートの入ったボールを出し、
ビートを雪山の上に出す。

レッドにおいで、と手招きすると、
少し顔を赤らめたレッドがビートの上に乗り、
次にルークが乗り、ビートに言う。


「さあ!
ふもとのポケセンまでごー!」










そして、
今に至る。



















































「ていうか、敬語やめていいよ?
年近いだろうし」

「え」

「気にしなーい!
あ、僕一旦イッシュに戻るね?
明日にはここに戻るから、それまで此処で泊まってて!」

「え」

「んじゃー!」

「え」

レッドが何かを言う前に、
ルークは走ってポケモンセンターから出てしまった。

「・・・・・」

取り残されたレッドは、
しばらくそこで佇んでいた、が。

「おー!レッドー!」

「!
・・・・グリーン」

現れたのは幼馴染でジムリーダーのグリーン。
何かとレッドに気を使ってくれる友人だ。

「お前が降りてきてるなんて珍しいなー。
負けたのか?」

「・・うん」

「マジかwww
んで、誰に?」

「・・イッシュのルーク」

その名前を聞いたグリーンは驚いた顔でレッドに詰め寄った。

「おっ!お前!!
ルークさんに会ったのか?!」

「?
・・・うん」

「そりゃあお前が負けるのも当然だ・・。
イッシュのバトルサブウェイは化物揃いの廃人施設・・・。
あの人はそこのボスのボスだぞ?!」

「!」

どうりで・・・、といったように目を伏せるレッドに、

グリーンはため息をつく。


「しらねえのかよ・・・」

「・・俺、あの人に一緒にイッシュ旅してくださいって言った・・」

「はあ?!」

「・・・OKもらった・・・」

「ルークさん馬鹿なのか?!
こんな男と一緒に旅なんて!!」


大げさにいうグリーンを肘でどついて、
レッドは立ち上がり、借りた部屋へと歩いていく。


「お、おい!レッド!」

「・・・何?」

「・・俺も、行っていい?」

「・・・・・勝手にすれば」


後ろで喜ぶグリーンを尻目に、
レッドは一人ため息をついた。




















































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