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□「シロガネ山に行ってくる」
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「シロガネ山に行ってくる」



此処はイッシュ地方ライモンシティ『バトルサブウェイ』


通称『廃人施設』



そこのボスともいえるサブウェイマスターを倒すことで会えるという少女。

『灰色の頂点』




そんな少女が、勤務も終わった夜、自宅でチューハイを飲みながら

ふと呟いた。


数秒の無言の後、

少女の周りに座って、それぞれ別のことをしていた

サブウェイマスターの二人が
勢いよく少女に詰め寄った。


「ちょっちょっ!!
お待ちくださいまし!ルーク!」

「何で?!いきなり!!
僕らのこと、嫌いなの!?」

「え、嫌いじゃないよ。
てか、落ち着こう二人共」


慌てふためきだした二人を宥めながら、

少女、ルークは言った。



「シロガネ山、とっても強いトレーナーが居るって噂。
知ってるでしょ?」

「うん」

「えぇ」

「そいつと戦いに行ってくる」


空になったチューハイの缶を潰しながら、二つ目に手を伸ばす。

「すぐ戻るよ。
大丈夫ー」

「で、ですが」



それでも心配なようで。
黒いYシャツを着たノボリは
灰皿に煙草を押し付けながら戸惑った声色でいう。


「心配しなくても。
3日ぐらいで帰ってくるよ」


ぽんぽん、と二人の頭を撫でれば、
潤んだ瞳のクダリが、
ぎゅう、と抱きついてくる。

それを受け止めて、背中を撫でていれば、
ノボリが言いたげにこちらを見ていた。


「ノボリ、おいでよ」

手招きすれば、
ノボリも抱きついてきて、

そんな双子の兄を見ながら微笑んだ。


「なんだか、僕がお姉さんみたい」


くすくす笑えば、
むっ、としたノボリの顔。


「今、私(わたくし)達は、貴女の『兄』ではありませんよ」

「・・・ああ、そうだった」


頭(かぶり)をふってルークが言えば、
クダリが艶かしく笑う。


「そうだよ。
僕ら今、ルークの彼氏」

「こんなことをしていれば、
襲われてしまいますよ?」



珍しくノボリも笑えば、
溜め息をついてルークはいう。


「明日出るから、
あんま酷くしないでよ?」


「「善処します」」




どさり、とソファに押し倒され、

持っていたチューハイを机に置いてルークは思った。


「(明日出発できるかなあ・・・)」



















































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