黒バス

□こんにちは、俺の名前は白石秋
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春。

かつて無敗の伝説を作り出した
帝光中学の『キセキの世代』

彼らは中学卒業後、それそれバラバラの高校に進学した。

そして。

彼らが愛してやまないマネージャー。

キセキの世代と同等の力を持った少女。

白石舞はというと・・。





















―――






































桐帝学園高校。

そこは帝光中学バスケ部でかつて最強と言われた
青峰大輝を獲得した。

そして、そこには本当の『最強』が入学していた。

それは、勿論。



























「白石秋。
趣味はバスケ。
よろしく」

そんな挨拶をしたのは茶髪の青年。

背は低く、童顔らしく、
女子に間違われてもおかしくない。

そんな彼は、
自身の目の前に座る男子生徒。

――青峰大輝を見て溜め息をついた。


「(まさか、前の席が大輝だなんて。
まあ、まだばれてないからいいか)」

拍手と女子の感嘆の声を聞きつつ座る。

「(……あと、今なんで女子が声あげたんだ?)」

自分が男子でも美青年に見られていることをどうやら自覚していないようだ。

そんな彼をちらりと横目で青峰は見、
そして一人口角を上げ、
悪どい笑みを浮かべた。



























―――






















バスケ部に入部する生徒が先輩たちの前に並ぶ。

そして、次々と入部動機を語る。

しかし、青峰は。

「オレはバスケの推薦で入ったから
別に志望動機なんてねェよ」

と言い放ち、周りの生徒を固まらせた。

そんな中、派手な音を立てて
体育館の扉が開く。

「すッ!
スミマセンっ!
遅れました……!」

「ああ、今呼びに行こうとしてたんや。
アンタ、白石秋、であってる?」

「すみません、
初日から堂々と遅刻なんて……」

小走りで青峰の隣に並ぶと、

先程発言した、
バスケ部主将今吉翔一が他の部員と同じ様に聞いた。

「ここに入った志望動機は?」

「バスケを楽しむためです。
…あと、マネージャーをするため」

「ほお……?
バスケを楽しむにマネージャーねえ。
随分面白い組み合わせやないの」

くつくつ、と笑う今吉に、

笑顔を浮かべる秋。

「……そんな甘ないで。
ココは……」

「えぇ、わかっています。
で「ごちゃごちゃ隣で煩ぇなあ。
おい、オレにバスケで勝ったら入れてやるよ」

口を挟んだのは青峰。

今吉は少し驚いたが、
周りの反対を押しきりいいとの許可をした。

「えーと。
青峰大輝、身長192cm、体重85kg。
帝光中学バスケ部6番、PF(パワーフォワード)」

「はっ、
てめえ俺のストーカーか?」

「一流の洞察眼と誉めてくださいよ、青峰くん」

青峰の挑発にも動じず、
ネクタイを緩め、セーターの袖口を捲り上げる。

そして、今吉から渡されたボールを地面に一度ぶつけた瞬間、
青峰の横を、超高速で通り抜け、
そのままダンクを決めた。

「!?」

「嘘だろ?!
あの身長でダンク・・・?!」

「つかスピードはんぱねええ!!」

驚きの声を上げる一年に、
声は出さないものの、やはり驚いている二年・三年。

そして、逸材がいたというように口角を上げる監督。

青峰も楽しそうに笑いつつ、言う。

「変わってねえ。
…いや、少しスピードは上がったな」

「……何を言っているんです?」

訝しげな秋に、笑いながらボールを奪う。

「っ…!」

「が、甘ぇな。
俺が、彼氏だからか」

「っ?!
ま、まさかk」

言葉は途切れた。

何故なら。

ボールを奪う反動を使い、
距離を詰めた青峰が秋のネクタイを掴みつつ、
その唇に口付けたのだから。

「♪」

「っぅ!」

「は、はあああああああああ?!?!?!」

多分、驚いた度合いでは何も知らない
桐帝学園バスケ部員&一年のが上だろう。

青峰の突然の彼氏発言+男同士のキス。

これは明日から噂が流れるだろう。

『青峰と白石はホモ』と。

「あっ、あああああ青峰く「大輝」あおっ「大輝」……だい、き」

顔を赤らめつつ、
上目で睨み付ける。

そんなもの青峰にとっては逆効果だが。

「よくできた。
はい、ちゅー「いらないっ」…つめてーなマイハニー」

口を開けていることしか出来ないメンバーに青峰は言い放つ。

「こいつ、俺の彼女……、でいいのか?
まあいいや。強いのはわかったろ?入れろ」

「あ、ああ……、
じゃあ秋くんはマネージャー兼プレイヤーでよろしく頼むで…」

「よかったな、
えーと、…秋」

「全然良くない」





















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