好きしょ【空色の花】

□その他空受小説
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CPアンケート
メルマガで、「次回はどのCPがいいでしょうか?」というアンケートを、カラメを利用して行いました。
読みたいCPのカラメを取り寄せると、お試しの短文が読めます〜、みたいな。で、桜井はどのCPが何回取り寄せられたか→どのCPに何票入ったか、という感じで集計したりしてました。
以降、それぞれのCPと獲得票数、そしてお試しのSSです。

真一朗×空 (24

「兄ちゃん…」
切なくて、苦しい。

本当の恋がこんなにも苦しいものだったなんて。

「何泣いてんだよ、空」
「泣いてなんかねぇよ、兄ちゃんのバカ」

兄ちゃんが好きすぎて、たまらない。胸が痛い。だからかな…オレの頬はいつの間にか濡れていた。

兄ちゃんはオレの身体をぎゅっと抱きしめる。
強く、優しく。
あたたかい温度と、耳に優しく届く胸の鼓動。
兄ちゃんも緊張しているのが、わかった。



***


水都×空 (23

水都の目的は、オレだけだ。
オレの身体を自由に出来るなら、水都はもう他の誰にもちょっかい出さなくなる。
「どうした羽柴。何を迷うことがある」

オレが大好きだった、「頼れるカッコイイ兄ちゃん」はもういない。
そこにいるのは、ただ一人の人だけを求める、欲のない悪魔だ。

だから、もういい、と思った。
静かに歩み寄ると、水都は口許に笑みを浮かべる。
そして無言で、手にしていた紐でオレの両手を縛り始めた。

オレは目を閉じた。
そして、心の中で呟く。
自分で決断したこの結末を、彼に謝った。


ごめん。ごめんな。
でもオレ、もうお前に痛みを押し付けて逃げたりしないから。


彼からの返事はないまま、オレと水都の生活は始まった──。



***


夜×空 (26

今日も兄ちゃんの特訓でもうクタクタだってのに。
やっと眠りについて数時間後には、オレは精神世界につれてこられてた。

「夜ぅ…。オレ今日、めちゃくちゃ疲れてんだって」
けど夜はずーっとムスッとしてて、何も言わない。
…あれ?そういえば、なんの悪ふざけもしてこないな。
「何だよ…言ってくれねぇとわかんねーよ」
「約束」
夜は、ぽつりと呟いた。
「…え?」
「約束してただろ。今日、会うって。なんで空から来てくれなかったんだよ」

…あ、そっか…
一昨日言ったな…
「日曜に来るから、今日は帰らせて!マジ、明日試験なんだ!」
なんて。そりゃ、怒るよな。
「ごめん、夜」
「悪いと思ったら、今日はオレが納得いくまで相手しろよ」
「え〜っ、それは勘弁…!!」



***


祭×空 (15

「…悪いな、祭…」
「ううん、構わないよ。僕と空の仲じゃないか」
オレは今、熱を出して倒れこんでいる。
昨夜倒れて自分の部屋に運ばれてから、祭がずっと看病してくれてるんだ。
「僕は人からうつされることがめったにないからね」
なんて言って。で、代わりに藤守がここを出て、七海ちゃんとこに。

それにしても、祭と一緒に過ごすのは、何故かとても心が落ち着く。
祭は笑顔をたやさないで、つきっきりでオレの側で話しかけてくれる。

「こういうことは、ナオくんの役目かと思ってたけど…よかった…」
小さな声で言いながら、祭はオレの頬を撫でた。
「オレも、祭に看病されたら心まで癒されそうで嬉しいぜ」
そう言うと、祭は本当に嬉しそうに、ニコッと微笑んだ。



***


学×空 (12

「空センパイ、今日も来てくれたんだな〜♪」
放課後、オレが化学室へ行くと、必ず先に来ている市川は満面の笑みで迎えてくれる。
「そりゃまぁ、一応オレも部員だしな」
つってもこないだまでは全く来てなかったけど。
でもそれは、苦手な永瀬がいたからというだけであって。

本当は、市川とこんなふうに毎日顔を合わせられる生活を、望んでた。

「センパイが来てくれて、マジですげー嬉しい♪」
オレも、市川に会えて嬉しい。
…だけど照れくさいから、そういう言葉では言わない。
「とりあえずさ、お茶でも飲もうぜ」

そして手を繋ぐ。
今はこれだけでも充分、幸せな気分だ。



***
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