好きしょ【空色の花】

□その他空受小説
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 思い出

「ほら、見て見て空!これ、こないだ空が廊下で滑ってこけた瞬間だよ!…うまく撮れたなぁ〜…」

「……祭、お前なぁ…」

現像してきたばかりの写真を机の上に広げ、楽しそうにはしゃぐ祭の前には、がっかりと肩を落とす空の姿があった。

それもそのはず、祭の披露してくれる写真というのがどれも、空の失敗をバッチリ正面から捕えてくれたものばかりだったからだ。

「いい加減にしてくれよ、祭ぃ…」
楽しそうに語る祭にわかるように、空はわざと大きな溜息をついた。

「何で?楽しいよ?」

「そりゃ、お前はな」

「人の失敗ほど、楽しいことはないもんなー」
空ももう、何を言っても無駄だとわかっている。
「へへっ、まぁねー♪」

…おどけて返してみせるが、そんなつもりで撮っているわけではない。

(…どんな空もみんな、残しておきたいんだよ…)

誰にも見せない写真の中には、友人とふざけて笑い合う、普通の空の姿もある。

(仕方ないよね、結局僕は、こんなふうに空と過ごすのが楽しくて、…好きだから)


もう少し、この気持ちは秘めておこう。
いつか、素直になれる時がくる日まで…。


End







〜「思い出」あとがき〜

これも古いです。「いっしょ。」と同じで2002年か2003年に書いたんだと思います。
祭ちゃん好きなんですよーv
ゲームで祭×空欲しかったなぁー!(>_<)
なんか、いい雰囲気はあっても、ラブな展開はなかったから…残念です。
祭空。また書きたいです!今度は二人の甘〜いお話を♪o(^-^)o
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