白炎's room

□虚桜学園
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※白炎視点。




静かに会議をしていた生徒会メンバーの慎紅と俺。
まぁ、人足りないのはいつもの事。蒼炎が居ないのはあまり無いことだが……
最初の十分は放送をかけたり教室まで行ってみたりしたが、居なかったので諦める。なにより、今日ははやく帰りたいから。
俺が今度行われる文化祭について、新たに加えられた話を会長である慎紅に話していた。

その時、事件は起きた。


≪ガッシャーン!≫


「なに?」
突如廊下から聞こえる破壊音。
吃驚して俺が言えば、
「何かが破壊される音、または何か……誰かが暴れた音。」
そう答える慎紅。
ぱらぱらと何かの破片が落ちる音がする廊下を、二人でトーテムポールのように教室のドアから覗き込む。
そこに見えるのは煙。そして倒れている燈也。……燈也?
「なにやってんだ?」
傍によって起こしてあげながら聞くと、燈也は苦笑いをして「吹き飛ばされた」と呟く。
後ろから様子を見ていた慎紅が「誰に」と聞こうとするが、その答えは煙の中から現れた。
煙の中から現れたのは
「蒼ちゃん?」
鬼のような顔をした蒼炎だった。
こんな顔をした蒼炎を見るのは久しぶりだ。確か一ヶ月前に俺の作った『今が旬!毒キノコの食べたらお腹壊すわよっ☆ケーキ』を先生方に食べさせた時以来。
あの時は本当に怖かった。うん。だからあの時神に誓ったよ。 毒キノコを使ったケーキは作るのをやめるって。
そんなことより、なぜ今蒼炎が起こっているのか、だ。
「あのさ、燈?蒼チャン様はなんでおこっていらっしゃるんだ?」
服についている埃を払うのもそこそこに、その場から逃げ出そうとしている燈也の首元を掴んで笑顔で聞く慎紅。
慎紅も今の蒼炎が怖いのか……笑顔が少し、いやかなり引きつっている。
燈也は逃げられないと解ったのか、ようやく観念したようにその場に頭を抱えて座り込んで小さくうなりながら、やっと真相を明らかにしてくれた。


「つまり……

  今日会議があることは知っていたけれど、どうしても新曲作りをしたいから先週からずっと休んでいたと……  
  で、それを蒼チャン様にばれてしまった。
  そこできちんと謝ればいいものを、燈は開き直って『べつにいいじゃーん』と言ってしまったと。」


慎紅がまとめて言えば、燈也は大きく頷く。
「ねぇ、先週からの生徒会の仕事ものすっごぉーく大切なの知ってる?それに、今まで以上に仕事がものすっごぉーく多い事知ってる?」
そう俺が聞けば苦笑いを浮かべて頷く燈也。
「だってぇーせっかく新曲思いつきそうなんだもん。」
もん。って。
これは、もう

「「蒼チャンに怒られてらっしゃい」」

俺と慎紅は燈也を蒼炎という、鬼に引き渡す。
そして何事も無かったように、俺たち二人は生徒会室に戻り仕事を始めた。
だって、怖いじゃん














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