Thanks for you !

□充電完了。
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窓の外から彼が見えた
特徴的で柔らかな髪をゆらせながら
彼が学校から家に帰ってきた
「ただいまー」と疲れた声がして
トントントン、階段を上ってくる
あと2段、1段・・・・がちゃり。

「ふ、フラン!?」

驚いた顔
その後にパッと明るくなって
また・・・暗くなった?

「はあぁ・・・・」
「人の顔見てため息とか失礼ですよー」
「あんな話聞いた後じゃ、」
「あんな話って?」

1週間以上あってなくて
任務中にもかかわらず何度も何度も綱吉のことを考えてた
だから会ったら真っ先にぎゅーってしよう
そう思ってたのになんだこの展開は

「ねぇ、知ってる?」
「マメ○バですかー?」
「違うよ!!ってか、話の腰折るなっ」

続けてくださーいと、促すと
言いづらそうに綱吉は口を開く。

「カエルって、カエル食なんだって・・・!!」
「・・・・・・は?」
「カエルは共食いをするんだよっ!」

少しヤケになったのか思い切って言い放つ
カエルが共食いすることは
へぇそうなのか。で、終わるはずだ
確かに気持ち悪いですけどー・・・

「だから?」
「っ!!だから、って・・・・」

何が悲しいのか薄っすらと涙の膜を張っている瞳
それは自分の頭の上あたりをさまよっている

「カエルの帽子がどうかしたんですかー?」
「笑わないでよ・・・?」
「はーい。多分」
「・・・・・・大丈夫だよね?」

いや、何が?
もうなんかさっきから話が・・・

「フランは、食べられないよね!?」

必死に泣きそうになりながら
その潤んだ瞳は心を射抜く。

ヤバ、可愛すぎますよー

いつまでも愛らしい綱吉を見ておくのもよかったが
このまま放置しておくといつ声を上げて泣き出してもおかしくない。
泣き顔も可愛いけどやっぱり笑顔が1番スキ
頭の上にあるカエルを脱ぎ、そっと綱吉の頭に乗せる

「多分大丈夫じゃないですねー」
「えっ・・・・」
「ミーも綱吉もカエルですから、
 パクッて食べちゃいましょー」
「ちょ、フラン!?」

ちゅっと首元に吸い付けば身をよじり
フランから逃れようと藻がく

「カエルはカエル食なんでしょー?」
「オ、俺はカエルじゃないっし!!」

馬鹿みたいな考えで心配してくれたり
ちょっとしたことですぐ赤く染まる頬も
すぐ泣いたり笑ったり表情をコロコロ変えるところも
全部、全部スキ。

「フラン・・・?」
「もうちょっと、こうさせてくださーい」
「ん。いい、よ」

自分の手より少しだけ小さい手を
そっと背中に回して抱きしめてくれた
いつまでもこうしていれたらいいのに。

充電完了。

(ってか、どこでそんな話聞いたんですかー?)
(理科の授業中に先生が言ってた)
(その帽子、頭かじられてるみたいに見えるから心配しちゃった)
(馬鹿だよね・・・!!)
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