時を越えて花束をおくる

□崩れた
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あー。うるさい、うるさい
自分の下から聞こえてくる音
それはこの部屋の主に朝を告げるはた迷惑な目覚まし時計
1番迷惑なのは自分かもしれないがそんなこと知ったこっちゃ無い
今日から正式に並中へ転入となっている。
学校なんてまともに通っていないけれど
面倒だということは分かってる
でも、どこの馬の骨かも分からない危ないヤツを
住まわせてくれているのだ。
奈々さん直々に頼まれてしまったら断ることは出来ない
とりあえず、今の気分は最悪。

わざわざ起こしてやるのやーめた

目覚まし時計をパチンと止めて
未だに眠りから覚めないツナを部屋に残して階段を下りた



なんで誰も起こしてくれないんだよっ!!
カッターのボタンをしながら階段を下りる
が、踏み外して顔から落下!
苦労したボタンも掛け間違えた
朝からついてなさすぎー・・・・
はぁ、とため息をつくと頭上に黒い影が出来た

「なんだよフラン」

上から見下ろしてきたのはやっぱりあいつで
その表情は馬鹿にした様なものだった

「10代目候補のくせに随分マヌケですねー」
「だから俺はマフィアにはならないって!!」
「そんなことしてていいんですかー?
 うるさい犬が吠えてますよー」

フランにしては珍しい大げさな身振りで
耳を澄ませるポーズをとってみせた
言われたように聞き入ってみると外から獄寺くんの声

「なぁ!?これじゃ朝から近所迷惑!!!」
「いってらっさーい」

手をゆっくりと振っているフランに少し
イラッとしながら食パンを口に詰め込み家を出た

「ごめんね獄寺くん!」
「いいっスよ!!さっ、行きましょう!!」

家の中では大声を上げて暴れているランボの声が聞こえる
その直後に声が遠くなった。
きっとリボーンが殴り飛ばしたんだろうなぁ
それじゃ行こうか、へにゃりと笑って歩き出した
学校へ行く途中、3個目の角で山本とばったり。
朝から悪態をつく獄寺を爽やかにかわす山本
いつもと変わらない光景に苦笑いを浮かべた
階段を登る最初の足も、教室の前に居たカップルも
みんなみんな一緒だったのに

「おはよーございますー」

ついさっき苛立ったはずの人物
聞き覚えのあり過ぎる間延びした声
担任の後ろからひょこりと覗いた翡翠色の髪
嫌な予感が駆け回って頬が引きつって、冷汗も流れる
指差された席へと歩き出し目が合うと鼻で笑われ
いつもは空いていた右斜め後ろの席には緑のカエルが座った

(全部一緒だったのに・・・・!)

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