時を越えて花束をおくる

□朝日
1ページ/1ページ

ピピピピピピピピピ
うるさい音にフランは無理矢理起こされた
けたたましく鳴り響くのは沢田綱吉の真横に置いてある目覚まし時計
しばらく放置していれば鳴り止んだ
きっと起こさなければ遅刻するだろう
そうは思ったものの面倒だし眠たいし
起きない自分が悪いですよねー・・・
眠気に負けてフランは再び目を閉じた
が、

ピピピピピピピピピ

5分おきに鳴るタイプだったらしく
耳障りな音がまたもや部屋に響き渡った
完全に眠気を吹っ飛ばされたフランは目覚ましを踏み潰し
ツナの目を無理矢理こじ開けた

「起きてくださーい。学校行かなくていいんですかー?」

ペチペチと頬を叩いても反応がない
一瞬死んでるんじゃないかと思ったが寝息が聞こえるので生きているようだ
何度呼びかけても起きる気配がない
まぁ、あれだけの目覚ましの音でも起きないんですからねー
ある意味尊敬に値しますねー。

「なんだ、ツナのやつまだ起きてねぇのか」
「おはよーございますー。アルコバレーノ」

スタスタとツナの前まで歩いてきたかと思ったらいきなり
連続キックを繰り出した

おぉ。目にも留まらぬスピード
流石というべきか

「痛い痛い!!何すんだよリボーン!!」
「フラン。お前もやっていいぞ」
「了解しましたー。ていっ」
「いだだだ!!!!止めろよフランっ!リボーンも!」
「安眠妨害されましたからねー」

そう言ってほっぺたをつねり上げた

「そんなことより急がなくていいのか」
「もうこんな時間ですねー」
「はっ!?なっっ!!!ヤバイ!」

無事に着替えれたツナは階段を慌しく下りていった
ボンゴレ10代目の家に来た最初の朝もこうだった
この光景はきっと毎日恒例なのだろう
平和すぎる日常は少しだけ眩しいですねー

「おはようございます10代目!!
 お迎えに上がりました!」

頼んでもいないのに獄寺隼人が沢田綱吉を迎えに来る

「はよーっス!!今日も早ぇのな!」

そこへ図ったかのようなタイミングで山本武が現れる

「なっ!また来たのかよ!!この野球馬鹿がッ」

声を荒げて山本武に文句を言う

山本武が笑って済ませて
大急ぎで用意した沢田綱吉が謝罪を述べて
そして3人で学校に向かう。

毎日、毎日・・・・繰り返して
いつもと同じことを繰り広げる
それが日常。
変わらないのが普通で、普通が1番いいんだ

そんなことを楽しそうに笑うツナを見て一人思うフランだった

(普通も悪くないかもしれませんねー)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ