時を越えて花束をおくる
□激痛
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頭が割れるほど痛い。骨から砕けてしまうんじゃないかってくらい全身がおかしい
外側がヒリヒリ痛いときは原因が分かるからいいけれど、内側が痛いときは──どうしたらいいんですか?
いっそのこと痛みで意識がとんでくれればこれから開放されるのに
頭は嫌というくらい冴えていて全身が感覚器官のようだった
「君は誰だい?僕はランボ。僕は誰だい?君はランボ」
この馬鹿みたいな声は・・・・もじゃもじゃ?
階段をトテトテ歩く音が聞こえる。部屋に、入ってくる
「ぐぴゃっ!?緑の・・・・ちんじゃった?」
「・・・・・・・・勝手に、殺さないでっくださいー・・・・」
「ゾンビー!!!!!」
話にならない。
吃驚してそのまま部屋を転がるようにして出て行った
でもむしろありがたい。こんな醜態、子供だろうと誰であろうと・・・晒したくはない
とりあえず立ってみようと足と手に力を込めると、あたり前のように走る激痛。
涙に汗が混じった水滴が床に垂れた
◆
「はぁ。今日も全然分かんなかった・・・・」
授業が終わり教科書を机で整えてから中にしまった
比例が難しくて泣きそうだ・・・
もう一度盛大なため息をついてから、いつものことだと開き直ってみる
いざとなったら獄寺君に聞けばいいしね・・・怖いけど!
「10代目!!!」
「ツナ!!」
ビクリとしてから振り返ると酷く慌てた様子の二人が居た
「どっ、どうしたの?」
「つなぁぁー・・・・!!!」
「ラッランボー!?どーしてお前がここにいるんだよっ!学校に来るなって言ってるだろ!?」
獄寺の手には先程までは沢田家に居たランボ。顔は鼻水と涙でぐちゃぐちゃになっている
震えているようなので何かあったみたいだ
「ゾンビー!!緑のゾンビー!!」
「緑?って何のことっスか?」
「昨日のカエルのことなんじゃねぇの?」
「フラン・・・・フランに何かあったの!?」
朝は体調が悪いようには見えなかった。一体ランボは何のことを・・・・?
「ちんじゃったー!!!」
「はぁ!?フランがー!!?」
「どうせアホ牛の嘘に決まってますよ。10代目!ほっときましょう」
「でも本当だったらヤバくないか?」
「うっせー野球馬鹿!!てめぇはすっこんどけ!!!!」
「ランボの言うとうりだぞ」
「リボーン!!」
すぐそばからリボーンの声がした・・・・・でも、どこから?
あたりを見渡しても姿が見えない。もう意味わかんないよ!
「ここだぞ」
窓の外に居るカラスの上にまたがっている小さい物体
「お前どんなとこに居るんだよー!!」
ツナの悲痛な叫びが教室に響き渡った
◆
朝リボーンが居なかったのはフランのことを調べていたからだそうだ
結局、正体は分からなかったみたいだけどフランの体に何かが起こっているのは本当みたい
今は俺の家へと走って向かっているところ。リボーンは山本の肩に、ランボは俺が手に抱いて
赤い屋根が見えてきた。急いで階段を駆け上がり扉を勢いよく開ける
「フラン!!!」
そこにはぐったりしたフランが壁にもたれて座っていた。
(何故か痛みが一瞬和らいだ気がした)