時を越えて花束をおくる

□出会い
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「・・・・ー!・・・・で・・か!?あのっ・・・・・」

声が、聞こえる
どことなく聞いたことがある・・・・・
この声は・・・・・?誰ですかー



ドバァン!

爆発音が惨劇への合図
悲鳴が相次いで目で見ていなくても何が中で起きているかは容易に想像がついた
きっとアホの作戦隊長が大暴れしているに違いない
ミー達は今、幹部総出である組織の作った研究室の破壊
わざわざ幹部で行く必要がないだろう。と、反発もあったが好きなように破壊していいお許しが出たので全員そろって任務に向かった。
機嫌がいい上司とは裏腹に一人沈んでいるカエル頭
めんどくさい。どうしてこんな研究所一つにこれほど人員をさくのか・・・
あのボスがこれほど執着するほどの任務なのか・・・・
考えれば考えるほどなぞが増えていく
そんなフランの思考を遮る通信が入った

『う゛お゛ぉ゛ぉ゛い!!!!!!早くお前らも向かって来ぉぉい!!!!』
「うるさいなー。聞こえてますよー」

プチンと通信を切りベルのほうを向く

「センパーイ。面倒くさいんですけどーどうやらミー達も行かないといけないみたいですー」
「聞こえてるっつの」

任務だからわざわざ報告してやったのによー
攻撃してくるへなちょこ研究員をサラリとかわして施設に突っ込む

銃声。悲鳴。血しぶきが飛ぶ

「おせぇぞぉ!!!」

周りを見ればどうやら

「任務は終わったみたいですねー」
「オレ全然殺ってねーんだけど?」

ムカツク!と、フランをベルが突き飛ばす

「っと、っと・・・・・!?」

よろりと足が動いたその先は

バシャァァン!!

紫色に澄みきった毒々しい池に大きな波紋が浮かぶ
ぶくぶくと泡を立てながら体が沈んでいくのが分かる
上に泳ごうとしても鉛のように重たくて動かない

ヤバ・・・・・
息が・・・・・・・でき、な・・・・・・い。

力が体から抜けてフランは意識を手放した。



声・・・・・声・・・・・・?
誰の?耳障りな隊長のでも腹の立つ自称王子のものでもない
誰の・・・・・・・声?

瞼をゆっくりと開けると目には光が集中的に入ってきて目を細めた

ミーンミンミーン。ミーンミンミンミーン

蝉の声?
じわじわ出てくる汗は紫の水滴と混ざって床にポトリと染みを作る

「大丈夫ですか!?」

声のするほうを見れば重力に逆らった蜂蜜色独特の髪型
大きな瞳は不安と安堵の入り交ざって揺れていた

「ボンゴレ・・・・・10、代目?」
「!!」

ピクンと体が跳ねた
あぁやっぱり。この声は、この人は・・・・ボンゴレ10代目だったんだ
相手は目を見開いて一言つぶやく

「なんで・・・・そのこと」

ん?反応がおかしい・・・・というかまず、幼すぎる。
いくら童顔だったとしてもまるで中学生のような背丈に容姿

「10代目ー!!そんなところで何してるんですかー?・・・・・!!」
「ん?誰だ?その・・・カエル被ってるやつ。おもしれー!」

明らかにこちらを警戒してる少年と、ははっとのんきに微笑む少年にはすぐに察しがつく
獄寺隼人と山本武。嵐と雨の守護者達だ・・・・

「なんですかソイツ・・・10代目下がってください!!」

どこからともなくダイナマイトを取り出しこちらに向けてくる
え、本当に爆弾なんて使うんですねーって感心してる場合じゃないですー
確実にそれ、投げつけられるじゃないですかー
でも動こうとしてもさっきと同じで体が動かなくて、自分のものなのに違うパーツをつけられたように動きづらい
なんですかー・・・コレは・・・・
意味の分からない状況と、言うことを聞かないからだに苛立ちが募る

「10代目避けてください!果てろ!!」
「ちょ!獄寺くん!?」

飛んでくる
そう思ったときに弾丸が目の前を横切った

「リボーン!」

これが・・・呪われた赤ん坊アルコバレーノ、リボーン?
深めに被った黒い帽子をスッとあげて

「こいつは敵じゃねぇはずだ」

視線はフランに集まる
なんなんですかー・・・・本当。

これが10年前のボンゴレファミリーとの出会いだった

(10年後はこの人の下で働いてるんですねー・・・)

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