時を越えて花束をおくる

□転入生
1ページ/1ページ

目を見開いてこちらを凝視してくる沢田綱吉
あの驚いた顔。ぷぷー傑作ですー
大きい目がもっとでかくなっちゃって
いまにもその琥珀色のものが零れ落ちてしまいそうなほど

「自己紹介して?」

白の新しいチョークを手渡され、カツカツと黒板に文字を書くと
もう一度、今日から加わるクラスの中を見渡す

「沢田フランって言いますー
 どうぞよろしく」
『えぇー!!?』

それまでヒソヒソ程度に留まっていたざわめきが一気に弾けた
クラス中の視線がツナへと集中し、女子の声が一際大きかった

「えっ、えっと・・・」

しどろもどろになる沢田綱吉を一瞥すると変わりに答えてやった

「ミーと沢田綱吉は、とっても遠い親戚なんですよー
 そうですよねー?10代目」

「えっ!?じゃぁツナってハーフ!?」
「バッカ!ハーフはねぇだろ」
「っていうかなんでフルネーム・・・?」

わくわくした、好奇心の塊のような視線が注がれる
なぁ!ダメツナ、お前って何?みたいな
こんな視線向けられるの初めてなんだけど!
毎回馬鹿にされて嘲笑う目では見られたことは経験してきた
でも、これはこれで恥ずかしすぎる!!!
あわあわと冷や汗を垂れ流す綱吉を見る目はいつも通りの無感情だが
口元は笑いを堪えきれずに吹き出しそうに緩んでいる

「うっせぇぞお前ら!!10代目がお困りになってるだろうがぁ!!」
「ごっ獄寺くん!?」
「でも、行き倒れになってたカエルがツナの親戚
 だったってことは俺も知らなかったのな」

クラスで格好言いといわれていた山本や獄寺に並ばれても
一歩も引けをとらない文句なしのルックス
ファンクラブが結成されたのは言うまでも無い
休憩時間はひっきりなしにうちのクラスへ人がたかる
もちろんお目当てはフラン。
そしてその親戚という設定の俺
いい迷惑だよ本当・・・!
親戚なら心強いだろうという担任のおせっかいにより
綱吉の隣の席はもともといた林くんを後ろにずらし
現在クソガエルが彼の席に座っている
つまり家でも一緒、学校でも一緒、席も隣。
なんでこんないつでも一緒になってるんだろ・・・

「これからお世話になりますー」

半笑いの顔でそういうとクハッとどこかの
変態パイナッポーのように吹いた。
馬鹿にしたようにしやがって!

「馬鹿にしてるんですもーん」
「そんな口調しても可愛くないぞ!
 ってか、心読むなぁあ」
「うーるーさーいーでーす」

腹立つ!グッと手がグーになっていたが
どうせ何を言っても倍返しに言われるだけ
はぁぁ、とため息をついてから机に突っ伏した
その様子に満足したフランは綱吉を見下していた

(人をイラつかせる天才が隣になりました)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ