With

□フランと極限
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あーあ。ミーは何でこんなところに居るんでしょうねー
勝手に行動されちゃ困りますよー
え?今ミーが何してるかって?
自分の都合で散らばったセンパイ達を捜索してるんですー
ていうか、そもそも沢田綱吉が逃げ出さなかったらこんな面倒なことにはならなかった筈なんですけどー?
ボスが部下の足を引っ張るなんて最悪ですねー

迷ったとは多少思っているけれど、なんだか認めなくない。
明らかに自分がはぐれたのが問題なのに、他の連中が悪いと言い続ける
こんな捻くれた性格の持ち主であるフランは、ボンゴレ10代目に<顔見せ>という名目のもと訪れた
それが途中で見失ってしまい、始めてきたところでぼっち状態だ。

「はぁ」

無闇に歩き続けるのに疲れて近くのベンチに腰掛ける。
本当に綺麗に整えられた空間でマフィアのアジトとは思えない
近くに人が通りかかったら道でも聞きましょー
ぐだぁ、と腰をかけて羊雲が浮かんでいる空を眺める
何分そこで時間を潰していただろうか。
足音が聞こえる
この発信源が沢田綱吉だったら楽なんですけどねー・・・

「シュッ、シュッ、シュシュッ!!・・・・シュッ!」

ロードワーク、ですか。
とりあえず話しかけてみましょう

「あのー」
「おっ?なんだっ!!貴様はあ!!」

話しかけてもこの動作は続けるようだ
その場で若干跳ねながら拳を素早く動かしている
そのフォームがルッスーリアのものとはすこし違う
鮮やかに繰り出される腕にちょっと見入ってしまったが、相手の声でパッと意識を戻した

「聞いてるのか!!お前は何だ!!」
「えーっと、ヴァリアーの幹部になったフランっていいますー」
「そのカエルじゃ、動きづらくないのか!!」
「は?あぁ、これですかー?動きづらくないわけありませんよー」

ていうか、ミーの答えをスルーしてまた新しい質問してきやがった
しかも答えてあげたのにすっとミーのカエルの目をガン見って失礼じゃないですかー?
ミーの目はもうちょっと下にあるんですけどー。
視線合わせるところまちがってますよー!

「そんな重たいものを被っていたら、重心が定まらんだろ!!」
「はぁ、そうですねー・・・。あのー、一ついいですかー?」
「なんだぁ!?」
「沢田綱吉って、どこに居るか分かりますかー?」
「なんだ、お前もヴァリアーか!!!」

はっはっはっは!!!!
豪快に笑い続けるそいつに殺意を覚えた
お前が最初に聞いてきたときに答えてやったじゃないですかー、ミー
人の話全然聞いてないじゃないですかー?
スクアーロ隊長は暑苦しくてウザイですけど、この人も同じくらい・・・それ以上にうざいですー

「ふん。沢田なら・・・・」
「沢田なら?」
「京子に聞けば分かるかもしれんな!!」

京子って誰ですかー
この人フリダーム過ぎますー
ミーはこの手の人苦手ですー。話しかける相手間違えましたー

「この先のバラ庭園にいるはずだ!!極限にまたな、カエル!!」

台風のように過ぎ去ろうとした相手の手には、晴れのボンゴレリングが嵌っていた
え、守護者なんですかー・・・?
呆然と見つめる笹川良平の背中はもうとても小さかった

(っていうか、ミーちゃんと名乗ったのにカエルって・・・)

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