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□フランと天然水
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ボンゴレ城の一角にある草原で開放的な気分にしてくれる見晴らしのいい場所
雨の守護者──山本武ははかま姿に竹刀を片手に持ちその場所に行こうとしていた
何気なしに空を見上げるとツナが血相変えて窓から飛び降りるのが見えた

「またスクアーロたちが来んのな」

ああやっていつも、ザンザス率いるヴァリアーがこちらに来ると分かると脱走する癖がある
その逃げている様子はまるで兎のよう
ちょっと微笑むとまた歩き出し目的の場所に着いた
最初は竹刀で素振りをして汗を流しいつものように練習をした後
ゴロリと草原に寝転がってみた。
雲ひとつ無かった青空に黙々と上がる黒い煙

「ん?」

異変を感じたすぐ後

バコーーン!!!!

どうやらヴァリアーが赴いた様子。ツナの予感は的中ってワケだ
またツナを探しに行かないと怒るだろうな〜スクアーロ。
ゆっくりと瞼を閉じてもう1度瞳を開けば、ふっと影が出てきていた。カエルの形をした

「・・・・・カエル?」

逆光でよく見えないがシルエットはカエル。

「カエルじゃありませーん。ミーはフランですー」
「フラン?」

聞いたことが無いな・・・
上半身を起こしてそのカエル・・・・・フランを見てみると

爆笑。

「ははははっ!!!!なんだそれっ!カエル?カエル被ってんのなっ!悪かったなフランっ!!ははははっ」

頭の上に青い目のカエルを被ったフランを見て爆笑

「それ謝ってるように見えませんけどー?
 さっきの人といい失礼な連中ですー」
「ん?他に誰かと会ったのか?」
「はいー。唯我独尊、我が道を進むって感じの人でしたー」
「なんだそれっ」

またこの人は目を細めてケラケラと笑う
そして笑いつかれたのか、目元の笑い涙を指先で拭いフランのほうに向き直った
お互いをじーっと見ていた長い沈黙の後ポツリとフランがつぶやいた

「またハズレですねー・・・」
「ん?何が?」
「ミーたちは手分けして沢田綱吉を探してるんですけどねー
 それに初めてなんで全く分かりませんし」
「そっか!なら俺が案内してやるよ!!」

そうか。このひとがスクアーロ隊長の言っていた山本武、か
そのごいろいろつれまわされてバラ庭園の近くになったとき
「ツナだ」と、指差す方向。
重力に逆らった髪型にマフィアのボスには見えない外見
あれが沢田綱吉。写真よりも若く見える

「教えちゃっていいんですかー?ミーあのひと見つけたらセンパイにチクッちゃいますよー?」
「あ。ヤベ・・・・俺が言わなかったことにしてくれよなっ!!じゃーなっ」

足早にその場を山本武は立ち去った

(あ、この人根っからの天然なんですねー)

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