霧がはれたその先に

□7日目。中盤
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おとぎ話に出てきそうな綺麗な会場
光り輝くシャンデリア。お姫様が身にまとうようなドレス
女の子なら1度は憧れたことがあるんじゃないだろうか
絢爛豪華。
見渡す限りの人、人、人。
どの人も絵本の一ページを切り取ったような人たちだ
今まさに、ボンゴレファミリー主催のパーティーが行われている

私の周りだけ、境界線でも引いてくれないかな・・・

会場のすみっこで小さな取り皿を抱えてフォークを口に含む
もうおかずは空で、舐めたフォークからは味はしない
空腹なのでとりに行けばいいけれど、その一歩が踏み出せない
だってパーティーとは無縁の庶民出身なんですから!!
あ 、 ツ ナ も も と は 一 緒 か 。
裏切りものめ!

あれ?あそこで踊ってるのってベルだよね?
うわー・・・綺麗な人と踊ってる!!絵になるなぁ
あっちにいるのはフラ・・・ン、だ。
チクリ
針で指を刺したような地味な痛みが胸に広がる
何考えてんの自分!もうすぐ任務なんだからっ
よく分からないけど、この刺さるような痛みに気を取られちゃ駄目だ!!!
軽く頭を振ってさっきの思考を飛ばそうとした
そのときだ──視界に男性の手が舞い降りたのは

「そこのお嬢さん。一緒に踊りましょう?」

金髪に細い目、少し厚い唇。
ターゲット接触です
ピッと後ろ手に隠していた発信機の電源を入れる
今回の任務はどうしても女性じゃないと成立しない
守護者のクロームさんが候補だったらしいが、体調不良で急遽私に変更になったそうだ
なんでも内蔵がどうとかで、かなり危ないらしい

「はい。よろこんで」

余所行きの偽りの笑顔を浮かべて愛想よく振舞う
舞台で奏でられるワルツにのって足を踏み出、せない・・・・

「どうかしましたか?」
「えぇっ?あ、えっとー・・・・」

ワルツとか踊れねぇよ!!
テーブルマナーしか練習してねぇよ!!
どうすんのコレ、どうすんだぁああ!?

「ちょっと、足を・・・痛めてて?」
「そうなんですか(なんで疑問系?)」

あはっ、と苦笑いを浮かべる私に、目の前の男はニヤッと口角を上げた

「なら、僕の部屋で少し休みますか?」

いきなりのってきた!!

向こうも思惑どおりかもしれないけれど、こちらも計算どおりだ
こいつはパーティーで知り合った女性を部屋に連れ込み犯す。
そして、裏取引でその女性を売りさばくのだ
そんなことをするためにボンゴレを利用していたことで今回の任務は行われている
まぁ、たった男1人のためだけに開いたものではないけれど
一石二鳥。捕まえれるならこしたことがないわけで。

(そこらへんの女の子と一緒にしちゃ駄目なんだから!)

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