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□そうだ、野球をしよう!
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※キャラ総崩れ


「きーみーがーいた、
 なーつーはー
 遠い夢のなかーあ
 空に消えてーった
 フランーのアーチー」

「おい」

「せーばーんごー5ーの
 すごいやーつーがいるー
 それーフラ、うーん
 堕おう・・・・うーん・・・」

「おい、無視すんなカエル」

「あ。そうだ
 そーれザンザス!ぴったりですねー」

上手く語呂があったことに1人喜ぶフラン
意味不明。といった感じで見つめるベル

「うるせぇ。カスが」
「しししっ!怒られてやんのっ」

酒瓶でも投げられてろ!
と、思ったベルの勘は外れた

「5じゃなくて1だ」
「は?ボス・・・?」
「俺がエースだ」
「了解しましたー」

え、何コレ
俺がおかしいの・・・
ポカーンとしているベルの肩にポンと手が乗る
顔を上げれば銀色の髪をなびかせたスクアーロ

「あれだ」
「アレ?」

ビシッと指差されたその先には
高校野球の中継が映し出されていた

「せーばーんごー1ーの
 すごいやーつーがいーるー
 そーれザンザス!
 ヴァーリアーいちーのー
 おーとーこまえー」

フランが歌っている中ザンザスは立ち上がり
電話をかけ始める

「沢田に代われ。今すぐにだ」
「おい、ザンザス?」
「久しぶりだなぁ。沢田綱吉
 ヴァリアー対ボンゴレに決闘を申し込む」

電話越しですら聞こえるツナの叫び
本気でやめてほしそうだ

「内容は、野球だ」
『え・・・?』

ぜったい危険なものだと思ったら
野球だと聞いて一気に気が抜けた

そうだ、野球をしよう!

「ビジュアル的にピッチャーと言えば僕でしょう」
「いや、ここは山本が適任だよ」
「一応、野球経験者ですしね!!」
「じゃぁ山本で決まりだね
 次は、守備?打順・・・?」

と、山本のおかげで順調に決まったものの

「山本武、お前は出れねぇぞ」
「野球経験ミーたちはないんですよー?
 ひきょーですー!」

「そんなこと言うなら最初からするなよっ!」
なんて、とてもじゃないけど言えないよー!!

「仕方ない、獄寺くん頼むよ・・・」
「俺ですか!?」

あれだけダイナマイトを的確な場所へ
投げていたんだからきっと硬球でもいけるはずだ
また骸が文句を言ったが無視だ無視。
そんなグダグダな感じで始まった

ルールがあやふやな素人VS素人
山本はさぞ歯がゆかっただろう

カキーン

大きな弧を描いてレフト方向にボールが飛んでいく
それを走らずに見上げているフラン

「おぉー!ミーでも飛ぶもんですねー」
「カエルー!!走りやがれ!」
「あぁそうでしたー」

ポテポテという効果音が適切な様子で走り出した
続くベルの打席

「カッキーン!ししっ、ホームランじゃね?」
「ベルセンパーイよく見てくださーい」
「空振りだぁあ!!ベル!!!」

振りは素晴らしかったが、バットは空を斬っただけ
白球はミットに収まっていた
まともなヒットはその後出ずに
フランを塁に残したまま3アウトチェンジとなった

「ボールを打てばいいんでしょ?」

銀色に輝くトンファーを持ち
バッターボックスに立とうとする雲雀

「雲雀!野球はバットで打つんだぜ?」
「それくらい知ってる」
「いや、でもそれトンファー・・・」

山本がなだめてとりあえずバットを握らせた
雲雀は初球からバットを振りぬき二塁打

「やっぱり雲雀さんすごいや!!」
「10代目!!俺も続きます!」

意気込んで行ったものの
ザンザスの緩急をつけたピッチングに三振

「ハン。ドカスが」
「ナイスピッチングですー」
「さすがです!!ボス!!!」

盛り上がるヴァリアーとは対照的に
獄寺はうな垂れていた

「すみません10代目・・・」
「大丈夫。まだあるんだから!」

そのあともみんな打つものの
得点には繋がらず4回ウラ。
またもや獄寺君の打席

「うがっ!!」
「ご、獄寺くん!?」
「これまでですね」

右腕にレッドボール
プロテクターを着けていない場所で
硬球が直撃し退場となった。

「やっと僕の出番ですね」
「骸!!獄寺くんがこんな目に
 あってるのにお前酷いぞ!?」
「彼のケガに僕は関わっていません
 さぁ!ピッチャー交代ですよ!!」

5回オモテ

「クフフ。僕のピッチングを
 見るがいいのです」
「ボスのてめにホームランを!!」

第一球、骸が振りかぶって
投げた!

「なぬっ!?ボールが2つに!?」
「渾身の魔球です」

2つに分かれる魔球に翻弄され
レヴィは三振
続く打者も三振し三者凡退
その魔球は骸の幻術だということに
フラン以外ヴァリアー側は気付いていなかった

「チッ、やるじゃねぇか骸のヤツ」
「すごいね、骸・・・!」
「骸様、それ反則なんじゃ・・・?」
「これも僕の技術のうちですからね」

骸により完全に押さえられている
ヴァリアー打線
イライラが募り始めたザンザス
その感情はピッチングにより浮き彫りとなる

「ぐぬぁあ!!!」

キャッチャーであるレヴィが
後ろの壁へと吹っ飛んだ
構えてたはずのミットは消し屑となり
あったはずの壁は粉砕
バッターボックスのツナは
血の気が引いて真っ青になった

え、この球を打つの─!?

「消えろ、カスが」
「ちょ、デッドボール!!?」

咄嗟に避け体は無事だったが
真後ろのフェンスには
ぽっかりと穴が開いた

あんなの当たったら即死だよ!!
ってか、狙い撃ちー!?

危険なボールを必死に避け
フォアボールで1塁へ出たツナ
代走を頼みたかったが
今の光景を見て誰が引き受けるか
続く打者もフォアボール。
満塁となり4人目打者クローム
押し出しの1点を与えることにより
ザンザスは怒りの沸点を超えてしまった

「ザンザス落ち着きやがれぇえ!!
 このままじゃ試合に がはッ」
「スクアーロ!?」
「カスの分際で・・・・ッ」

ぶつぶつと呪いの念を呟きながら
オレンジ色の球を放つ

「憤怒の炎を硬球に宿らせてる!?」

試合どころじゃない!!
と、ザンザスを1人残して
その場に居た全員は球場を出る
それはもう、死ぬ気で。
破壊音がするとともに球場は
跡形もなく全壊した
その様子を、ただただ
眺めることしか出来ない一同でした

後日ボンゴレ本部に請求書が
届いたことは言うまでもない

(野球なんか嫌いだぁあ!!)
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