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□嘘つきの日
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私の部屋にある日めくりカレンダー
それを千切るのは朝一番、起きてすぐにするのがこのカレンダーを使い始めてからの日課。
そして今日紙をめくって表れた数字
思わず口元がにやけてしまう。
もしかして私の誕生日?はたまた誰かとの記念日?
いえいえ、ちがいますよ。

「今日は、エイプリルフールじゃん♪」

今日は4月1日。
天気はウソをつくにはもってこいの晴天
うじうじした雨の日じゃ、嘘つかれたらイライラしか残らないからね!
うきうきした足取りで部屋の外に出ると、カエル帽子を被った人物がひょこひょこ歩いている
ターゲットはっけーん!!
その人物とは、フランである。



壁にもたれ掛かって俯いて立つ。
いつもと違う様子の私にフランは気づいて近づいてきた

「何してるんですかー?」
「・・・・あのね、フラン。話があるの」

こんな風にしんみりと台詞を喋れるなんて私って案外役者だなー!
なんて、頭の中で考えてたりするのは内緒だよ?

「私もう、フランのことスキじゃない」

俯いているためフランの顔は見えていないけど、でもきっと驚いてると思う。
付き合って数ヶ月経つけど、未だにフランの表情は限られたものしか見たこと無い
・・・って、あれ。ちょっと悲しくなってきたんだけど
バッと顔を上げてフランの表情を仰ぎ見る
目にはちゃんとさっき入れた目薬が溜まっている。

「へー、そうなんですかー?奇遇ですねー」

 え ? 
ちょっと待って!?奇遇って・・・

「ミーももうスキじゃありませーん」

目薬なんて乾いちゃったよ。変わりに、本当の涙がこぼれてくる
嘘。私、嘘なんだよ!!
ぼろぼろ零れてくる涙を手で拭って拭って拭って。
それでも涙は止まらない

「うぅ、嘘だよぉ・・・・フランっ、私フランのことスキっ」
「嘘ですよー?」
「へ・・・?」

目薬も涙も吹っ飛んだ
今、なんて・・・?

「エイプリルフールですよー?」

ひっかけたのは私だったのに!
やっぱりフランには敵わないよっ

「フランー!!!」
「ミーが嫌うわけないじゃないですかー!」

嬉しくって泣きながら私はフランに抱きついた
すると優しく抱きしめてくれた。

(やり返されるとは思わなかった!)

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