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□【ボカロ】×Re!→悪ノ娘
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改造しまくりもいいとこ。
自分の中にある『悪ノ娘』を壊したくない方にはお勧めしません
----------配役----------
*)王女=沢田綱吉
*)召使=超ツナ
*)黒幕=××
*)メイド1=三浦ハル
*)メイド2=笹川京子
*)使用人1=獄寺隼人
*)使用人2=山本武
----------キリトリ----------
村の人たちが王女は残虐で酷い、と言っていた
でもそれは嘘なの。
王女は悪くないの。
悪いのはね、周りの大人たちなんだよ──・・・
声をそろえて私たちは静かに言った
◆
私たちは村で噂になっていた王宮でメイドとして働いている
きっと皆は酷いことをされていると思っているだろうけど
でもそれは違って王女はとても、優しいの
「買い物は済んだのですか?」
「っ!!・・・・はい、今終わりました・・・」
ハルちゃんの声は震えている。それは私も同じ
だって・・・・××さんは怖いから。
「遅くなってごめんなさいっ」
私とハルちゃんは頭を下げて謝った
すると独特の笑い方で許してくれたその笑顔は、何を考えているのか分からない
──だから怖いの
「京子ちゃん!これ、早く運びに行きましょう!!」
「うんっそうだね」
恐怖はなかなかとれないから、ハルちゃん無理に笑っていた
なら私も、笑うしかないよね・・・・?
一言も喋らずに調理室に向かっていたその時。
廊下の端にある1番大きな部屋の中からすすり泣く声が聞こえた
聞こえていたのは私だけじゃなかったみたい。
心配になった私たちはその部屋に進路を変えて歩き始めた
「悪いのはお前じゃないから・・・・だから、泣くな」
「でも、だって・・・・村の人がっ、怒ってるのは・・・・」
「違う!違うっ!!お前じゃない・・・心配するな!!」
その部屋に居たのは王女と召使さんだった
二人の顔はそっくりだけど性格は全然違うの。
どっちもとても優しいけど、すこしだけ弱くて泣き虫なのが王女
今日も泣いていたのは王女だった
王宮の外から聞こえてくるのは王女に対しての不満、怒り、憎しみ。
全てを王女のせいにしてそれを全部投げつけてくる
「だって、あんなことしてないのに・・・・増税や、戦争なんて・・・なのになんで」
王女は優しい。人の心の痛みも自分で受け取ってしまうくらい優しい
そんな人が人から恨まれるわけが無い。憎まれるわけが無い。
それは全部・・・・あの人だ。
◆
国はいたって豊かだ。
増税なんてしなくても普通に暮らしていけるほどに
でもその政策は行われた
隣国との交際状況は穏便だった
でも戦争は始まった
うまく行き過ぎていた国の舵を握りたかった
ならば、国の頂点を失脚させればいい。
じゃあどうすればいい?
蹴落とせばいいのさ。
国民から信頼を失えば、この国の実験は僕のものです
「クフフフ・・・・・」
王宮の陰でひそかに笑う声が聞こえた。
その部屋の前にある廊下を慌しく走る音
「どうすんだよ!!これっ!!!」
「落ち着けって獄寺・・・・」
「お前みたいにお気楽じゃねぇんだ!!!」
「やべーってことくらい俺だってわかってる・・・・とりあえず今は王女を探すしかないんじゃねぇの?」
いつもより一オクターブほど低い声だった山本によってすこし冷静さを取り戻した
とにかく緊急事態だ。
最悪の場合、この国は終わる─!!!
◆
「俺の服を貸してやる」
「っ!!でも、それじゃぁ・・・・!!!」
「これを着てすぐ逃げろっ!!」
「嫌だ!!自分だけ逃げるなんて・・・本当は違うのに」
「王女を連れて逃げろ」
『!!』
召使さんは王女の服を着ていた。
身代わりに、なるつもりなんですね・・・・
嫌がって言うことを聞かない王女の瞳からはボロボロ涙が零れていた
その表情を見て召使さんは唇を強く噛みしめた。
つらいのは同じなんです・・・・
「失礼します!王女様っ」
無理矢理服を脱がして強引に召使さんの服を着させた
そしてタイミングよく入ってきた獄寺さんと山本さんは召使さんと3人で深刻な顔で何かを話していた
外はだんだんと騒がしくなっている。
この様子じゃもうすぐ扉は破られちゃいますね・・・
召使さんは、さっきからずっと泣いている王女の手をとって優しく微笑んだ
「大丈夫。俺たちは双子だから」
一瞬の衝撃が走ったあの場所から今はもう離れている
未だに放心状態の王女とともに王宮から遠くはなれた森の奥で──・・・
「あれ、おやつの時間だね」