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□ハッピーカラー
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いつから俺は変わったんだろう?

よくそんな疑問に直面する。
こんな風に思ったときは必ず過去から振り返る
何も無い代わり映えしない毎日。
繰り返すだけの日常。
楽しくないのに学校に行ってたのは?
そりゃ、笹川京子を見るため
でも今は?
いつから俺は・・・・

笹川京子が『憧れ』という感情だったと気づいたのは

きっと全てはリボーンが現れてくれたからなんだよね。
出会えたのは偶然か──否、必然か
彼女がリボーンに一目ぼれをしなければ、俺達は出会わなかったんだから。
リボーンがうちに来てからは無茶苦茶なことばっかやらされて、マフィアのボスなんかになって
そういえば彼女は昔からマフィアの妻になるだのと騒いでいたよな
こんなにも長い間俺を思ってくれる人がこの世の中他にいるだろうか?
とても長く待たせてしまった。
でも今日からちゃんと、君は俺の──

「結婚してください・・・!!!」

俺が発した言葉は空気を震わせて彼女の耳に響いて
その言葉の意味を、どうやって受け取ってくれるかな?
遅すぎるって怒られるかな?
嬉し涙を流すほど喜んでくれるかな?

照れくささと恥ずかしさが一気に襲ってくる
隠すように俯いてポケットから藍色の箱を取り出す
これを選ぶのにとっても時間かかったんだよ?
君が嵌めたら一番綺麗に輝くと思ったのを見つけたんだ

そっと箱を開けて中を見せる
未だに見れなかった彼女の顔を、指輪から目線をはずしてあわせた

「・・・・ぷっ!マヌケ顔」
「ちょっ!ツナさん!!」

予想外の反応。
俺の言葉はハルにちゃんと届いたけれど、フリーズさせてしまったみたい
顔を赤く染めて怒るしぐさも、全てが可愛くて愛しくて。
おかしくなって2人で笑いあった

「ツナさん。遅すぎですよ!!ハル、ずーっと待ってたんですから」

やっぱり言われると思った
改めて言われると申し訳ない気持ちで一杯になる

「でも・・・・。ツナさんならいつかハルを選んでくれるって分かってました!」

2人が幸せになるのは、満開の桜が咲く季節
ピンク色で埋め尽くされた街中
どこにでもある色だけど、今の俺には特別なものに感じる
──幸せを象徴する色だと。
(俺は春もハルもどっちも好きだよ)

ハッピーカラー

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