short

□笑い死ぬ?
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今日は任務がない
そして堕王子も居ない
上記のことをきちんと確認してから
頭の重みを取り除いた。
青い目に黒のマヌケなカエル
最近は慣れたけれど最初の頃は首が筋肉痛だった
思うように首が回らずに敵に殺されかけたこともあった
本当。堕王子しねー!
今日はいくら声を出して叫んでもいいんだ
なんてったってその相手が居ないのだから
手をメガホンのように顔へ添えて赤い絨毯が轢かれた長い廊下の真ん中で

「堕王子ー!いつか毒カエル食って死んじまえー!」

叫んでみたり。
思いっきり声を出した
久しぶりにお腹から声を出した
頭とか肩とか色んなところがスッと楽になった
血まみれの王子とか悪趣味な歌で
悲鳴なんて最高のBGMなんて歌ってるあんなやつ
馬鹿みたいな死に方をすればいいと思う
例えばカエルを食べるとか、カエルを食すとかカエルとかカエルとかカエルとかー
他に堕王子にピッタリなものはなんだろうか?

「あ、笑い死に・・・・」

ピクピクしながら震えてアホみたいに大声で笑って
最後は過呼吸になって呼吸不全になって
間抜け面を貼り付けたまま The End ☆
1番わらけますー
そして1番お似合いじゃないですかー?
いつか絶対やってやる

「何1人で笑ってンだよ。クソカエル」

ピクリと歩いていた廊下の真ん中で立ち止まる
聞こえるはずのない声が少し自分の頭より高い位置から降ってくる
嫌な汗が背中に流れた。
一気に自分の体温が低下していくのを感じた

「そんなにヤられたいならシてやるよ」
「スミマセーン。表記の仕方間違ってますけどー」
「あぁ?あってるし」

口角を吊り上げてあのししし笑い
あぁ、本格的にヤバイ・・・・

「全部丸聞こえだっての!」
「なっ!」

ガバリと飛びついてきたのを確認したときにはカエルではなく直に床を感じた
押し倒されたことに気づくのはその3秒後
お腹を這う手に耐えられず口から声が漏れる

「やめっやめ!あっははははふっ、ははっちょセンパイっ」
「間抜け面で死ねカエル!」

これは笑っちゃ負けだ。
必死に口に手を当てて声を押し殺そうとする
が、伸びてきた右足で両腕を踏みつけられ抵抗できない
元より笑かされている状態じゃ力なんて入らないんだけども

「あっは、はは・・・ぁ!スクたいっふふはっは」

たまたま通りかかったスクアーロ隊長に助けを求めてみる
こっちに気づいた瞬間吃驚して2度見しやがった。
なにやら面白そうなものを見る目で一瞥しケイタイでパシャリ
・・・・・・今度食事の中に鮫を混ぜてやろう
もちろん匣のアーロを。

「もっとやっちまえ!」
「言われなくてもそのつもり」
「フッ」

蔑み笑いやがった・・・・!
ちきしょー、このクソ堕王子

「助けはこないぜ?」
「鬼畜外道堕王子・・・・」
「なんか言ったか?」

このままじゃ深紅に染まる踊り子だ
悲鳴とか断末魔とか聞いて楽しまれてしまう
集中力10%未満で自分の分身を作り上げた

「げっ、幻覚・・・!」
「あっちにーもこっちにーも、いーるよミーだっらっけ」
「キャラソンかよ」
「お前もなー」

ムカッときたベルは懐に手を差し入れてナイフを取り出した
え、まだやるんですか・・・
ミー腹筋崩壊寸前なんですけど
形だけファイティングポーズをとったが
ベルは息をはいてナイフを床に散らばらせた

「止めだ、止め」
「めずらしーですね」

チラリとこちらを見下ろしてから下がった口元を
もう一度吊り上げた
フランは本日二度目の嫌な予感。

「だってカエルの爆笑、スクアーロが持ってるし」

ガンと、鈍器で殴られるようなショックに襲われたフランだった

笑い死ぬ?

(まぁフランちゃん!いい笑顔ねぇ)(これは傑作だな)
(おっ、よく撮れてんじゃん♪)(ザンザスにも送っといたぞぉ!)

「てめぇら全員くたばれ!」
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