慈愛の女神

□☆慈愛の女神 8章
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 日も落ちた時間。
 教会内、客間。
 大人数用の客室に全員が集まっている。あれから数時間経ち本格的に作戦会議が行われる所だ。
 「だいたいの状況は理解した」
 あちこちで行われていた今までの事柄を纏めた上でベッドに腰掛けていたピオニーが頷いた。
 「それでアルベクトはグランコクマを落としにかかると言ったんだな」
 ピオニーが腰掛けているベッドの背凭れに体を預けながら半身を起こしているジェイドは頷いた。
 「ノルドハイムの行動開始と共にこちらの戦力も駆り出すと言っていたからもうレボルトからは幹部クラスと各部隊が動いている筈よ」
 信じてもらえるかわからないけれど、と続け椅子に座るアサギは俯く。
 「いや、信じるさ。キミは旦那の危険を必死になって伝えに来てくれた。それだけで十分信じられるよ」
 客室の入り口付近に凭れ掛かって腕を組むガイはそう微笑みかける。
 「ん〜、でももう少し詳しくわかんない?」
 備え付けられた裁縫道具で小さなトクナガの解れを直すアニスは尋ねる。
 「アルベクトが自らアジトを離れる事はないわ。…確かアジトへ残る予定だったのは私とセミテルとメラルドね」
 しっかりアニスへ向き直りながら答えるアサギ。
 「となるとセミテルの人形士部隊とメラルドの音律士部隊は残る事になるのね」
 「恐らくアルベクトの特殊戦闘部隊も、ね」
 アサギの側の椅子に座るセイチェルとシルヴィーナが更に続ける。
 「…だがこれからどうする」
 椅子の近くに立ったままのレミレスは難しい顔をしている。
 「まずはグランコクマを守らないと!」
 「そうですわ、好きにはさせておけませんもの!」
 座っていた椅子から勢い良く立ち上がるルークとナタリア。その横でエメルディアを膝に乗せて座っていたティアはその二人の様子にため息を吐いてから、じっとピオニーを見つめる。
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