慈愛の女神
□☆慈愛の女神 4章
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人質扱いのピオニーと囚われのジェイドを救う為二手に別れたガイ、ルーク、シルヴィーナとレミレス、セイチェル、エメルディア。
夕方6時。
宮殿前や中を兵士達が慌ただしく動き回っている。そんな様子を扉入り口付近の草陰に隠れながら窺う3人。
「やっぱり皇帝陛下が襲われたってだけあって騒がしいな」
ぼそっとルークが呟く。
「けれどなぜ隠れる必要があるの?」
シルヴィーナも声を潜めたままで、ガイに尋ねる。
「あそこにはノルドハイムの部下もいるんだ。それに犯人がジェイドだと思われてる今仲間の俺達も不審がられて下手したら言いがかりをつけられて捕まる」
ガイは静かに答えていたが不意に立ち上がる。
「今だ、来てくれ」
兵士が途切れた所を見極めて素早く中へ入り込む。ルークとシルヴィーナも後を追い宮殿へと入る。忙しなく動いている兵達の合間を器用に潜り抜け、一番厳重に守られている通路の近くにある物置部屋へと駆け込む。