異界の扉

□♪ホワイトデーのお返し物
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「ルーク。まさか二週間後のこと…、バレンタインを知らないなら知ってるわけないよなぁ」
椅子に座って話を持ちかけたガイに、「当たり前だろ!」とルークは返していた。
「はい!はいっ!それなら俺知ってるぜ!」
挙手をし、声を上げてロイドは立ち上がった。
「また当てずっぽうだろ?ロイドは」
「失礼だなぁ。ホワイトデーだろ?」
「へぇー。それを知ってるなんて珍しいな」
「女の子から何かもらったらちゃんと何かで返せって親父が言ってたからな」
「なんでホワイトデーを知っててバレンタインを知らないんだか」
ガイのぼやきは近くにいたゼロスしか聞いていなかった。
「まあとにかくちゃんと貰ったなら返せよ?」



ガイとロイドが緑豊かな森で何かを細工していた。
「ガ〜イ〜。何作ればいいかなぁ」
「何って…。そうだなぁ。可愛いぬいぐるみを作ってみたらどうだ?色のついた布と綿とボタンがあればできるぞ?」
「あー…、作り方教えてくれないかな?一回もやったことないから」
「構わないさ。愛情があればティ…」
「ロイド!!」
ガイに怒鳴られてロイドは笑って頭を掻いた。
「俺たちと一緒にすればいいさ。ルークも今度からここに来るよな?」
「剣術修行もあるから俺もガイも朝は早いしな」
立て掛けてある剣を見てガイもロイドもルークを誘った。
「俺も早くから来れたら剣術修行してもいいか?」
頷く二人にルークは笑顔を見せて走った。
「じゃあ俺、裁縫箱取ってくる!」
完全にルークの姿が見えなくなってお互いすぐに細工作業に戻った。
「できそうなのか?」
ガイが細工作業をしながら訊ねた。
「一応予定ならできるけど。そっちは?」
「まだ無理さ。問題があるからな」
「にしてもやっぱりガイのロケットペンダントは難しいんじゃないか?」
ははっと笑いながらロイドが訊く。
「難しいけどやりたいんだ。それよりそっちこそペンダントを作るんだろ?」
「ああ。コレットの胸についてる宝石があるだろ?クルシスの輝石ってやつで一回作ったのは寄生を抑える要の紋にしたんだ」
「なら慣れてるんだな」
「いいや。あの輝石に負けないペンダントを作るって約束したしな」
お互いがお互い信念の下に作っているのを確認していた。
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