■SJ妄想小説■

□get night
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歌手になる、俳優になる、両親に家を買ってあげる。
その三つだけが僕の行動力に繋がっていた。



04/get night

正直、初めの頃は何をしに韓国に来たのか、そもそもの目標すら見失いそうになっていたんだ。
そんな僕の周りで、唯一理解出来た事と言えば、ルームメイトの韓国人がおかしな男だと言う事だった。
それは韓国に来てこのかた、韓国人に頼らないと生活出来なかった僕の口から、毎日汚い韓国語が飛び交うほどで、でもそれは今でもあまり変わらない。
最初に声をかけてくれた練習生は、彼を「気に食わない」と言っていた。気に食わないのは何故か、話していたかもしれないが、当時の僕はそこまで聞き取れなかった。
実際見た目は少女の様に可憐で、あまり韓国人にない珍しい顔だと思ったから余計変な男だと思った。

彼は中国にいた頃の、クラスメイトみたいな親しみ安さを持っている。

こうして、中国と韓国で長く離れていると、
こんな風に、ふと思い出す時があった。

傍に居れば気付きもしないが、僕は自分が思っている以上に頭の中に彼がいた。

韓国でデビューして4年、僕は多くのものを手に入れた。
中国に戻ればハリウッドスター並みの歓迎、25歳でまるで英雄扱い、多くのベテラン達を肩を並べて歩く日々・・・両親に家も買ったし車もある。韓国にはないものも、中国には全て揃っている。
恋人はいないけど、結婚なんて考えていないから、別にいらない。
韓国と中国を行き来している僕の体は一つしかない。
再開と別れを繰り返す日々にも慣れればいいのに・・・・明日は、韓国に行かなければならない日だ。
いつも、このまま一人残ろうか真剣に考えてしまう。
そうゆう気持ちになるのはまだ早いだろうと、自分を諌めてみても、寂しさが溢れて止まらない。
こうゆう時、無償に誰かに後ろを押してもらいたくて、その度にヒチョルを思い出すんだ。







「何だ、やっぱり元気ないな。明日帰るのが寂しいんだろ?」
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