雛見沢決戦編


□捌
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◇作戦◇
謀略の隠れた落とし穴















ボクらは状況の整理を始めた。
所謂作戦会議というやつだ。

梨花と沙都子は病欠のふりをして園崎家に身を隠す。ボクや綱吉達も万が一に備えて園崎家に待機。
別宅には赤坂がいるので誰にも2人の留守を悟られることはない。








「でもよかったね。5年も昔にした約束を覚えてて助けに来てくれるなんて、本当に素敵な人だね。…はぅ、ちょっと羨ましいかも………」



「東京の警視庁の公安部の人で、それも秘密部門所属なんだろ?すげぇ頼もしい人だよな!」



「ただ、赤坂さんの役割はどちらかというと緊急時の防御役。むしろ重要なのは相手の尻尾を掴む大任を帯びている富竹さんだよ。彼こそが真の攻撃役」








敵を、鷹野や山狗を鎮圧できる番犬部隊を呼ぶことの出来るのは富竹だけ。
魅音の言うことも最もだが富竹だけに命運を委ねるのは居たたまれない。








「万が一に備えて………、何か他に、手を考えておいた方がいいんじゃない…かな」



「………でも綱吉、富竹を頼る以外に何か打てる手があるのですか?」



「え、ぁ…いや………!!」



「いや、…綱吉くんの言うことも一理あるよ。ウチの部活メンバーに、綱吉くん達という強力な助っ人がいるんだから!出来ることはあるはずだね」








綱吉は照れ臭そうに笑った。

魅音と綱吉……………
人の上に立つ責任と、人を惹き付ける純粋な強さ。2人は案外似ているのかも。








「何か揺さぶりをかけられねぇかな!?」



「うむ、待っているだけというのは極限に我慢出来んぞ!」



「敵の狙いは梨花を殺して緊急マニュアルを執行することだぞ」








雛見沢の住人を皆殺しにして、誰かに罪を押し付けることが敵の目論み。
そんなこと、絶対にさせない。
ボクは、何としても目論みを止めたい。








「もし、緊急マニュアルを執行することが出来ないことになったら、きっと大慌てだろうね」



「ああぁぁ!!」








沙都子がいきなり声を上げ立ち上がった。
何か、思い付いたのだろうか………?








「わかりましたわよ!敵の弱点が!!」



「………!!あぁ、俺もわかったぜ!!そうかそうか、そうだよなぁ!?」



「…え?…え?ふ、2人とも何がわかったのですか?ぼくにはわからないのです」



「わかんないわかんない!レナにもわかんないよぅ!!」








……………ボクにもわからない。
緊急まにゅあるの弱点とは、鷹野達の弱点とはなんなのだろうか。

その希望はきっと、袋小路の暗闇を照らしてくれる、ボク達を出口へと導く一筋の光になる。















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