雛見沢決戦編


□参
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◇舞台◇
役者の集う場所















レナと圭一は、ダム建設現場の跡地、不法投棄の山へと来ていた。
もっとも、レナにとっては宝の山だが。



部活の最中に現れた梨花の知り合い。
彼がはぐれてしまった仲間を探すために、村中のあちこち歩き回っている。

何故だろうか?
相手のことを何も知らない、他人のはずなのに……………








「ねぇ、圭一君」



「ん?どうかしたか?」



「なんだか、さっきの男の子やそのお友達のこと知ってるような気がするの………
レナだけなのかな、かな」








梨花が探しに行くと決めた時。
自分達も行かなければと思った。

梨花のためだけではなく、出逢ったことのないはずのヒト達のために。








「俺も、そんな気がするよ。俺は蒼唯って奴にもまだ逢ったことはないけど、レナ達みたいによく知ってる気がする」








逢ったことも、言葉を交わしたこともないはずなのに、何故か覚えている。

共に過ごした時間を。
触れ合うことのあった世界を。








「なんか、不思議だよな!」



「圭一君の言いたいこと、レナにもわかる気がするなぁ。きっと仲良くなれるよ!」








空はオレンジ色に染まりはじめた。
蝉の鳴き声と、ひぐらしの鳴き声が辺りに響き渡る。

レナはふと足を止めた。
隣を歩いていた圭一も足を止める。








「どうしたんだ?………あ、今は人探し中なんだから、宝探しはまた今度な」



「圭一君……………」



「な、なんだ………?」



「あのモジャモジャしたの、なんだろ?」








レナの指差す、視線の先……………
言葉通りに何やら『モジャモジャ』した塊が不法投棄の山で動いていた。

圭一は思わずギョッとしてしまう。
対して隣にいたレナの反応は、予想通りというか。








「か、かかか、かぁいいよぉ!!!!おっもち帰りぃ〜♪」



「あのモジャモジャの、どこにかわいさを感じるんだよぉ!!!?」








モジャモジャの塊をギュ〜ッと抱き締めるレナの姿に呆れる圭一。

と、モジャモジャがもぞもぞと動いた。








「ココはドコ?キミはダレ?ランボさんはランボさんなんだもんね」



「こ、子供………!?」



「はぅ〜!!かぁいいよ、かぁいいよ!!!!」








夕暮れ時。
心地よい風が、静かに吹き抜けていく。















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