罪滅しの物語


□弍拾捌
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◇結末◇
語られなかった出来事















雛見沢分校の前には、何台ものパトカーが停まっていた。








【「興宮SPより全車へ。雛見沢営林署にて籠城事件発生。人質多数。全車は至急、雛見沢営林署へ向かわれたし」】








昼過ぎに起きた立て籠りから、既に5時間近くの時間が経過している。
それでも気を休められる暇などない。

犯人である竜宮レナの要求は園崎家の陰謀を暴くこと。しかし現実問題、そんな話は鷹野三四によって作り上げた虚言と妄想に過ぎないものだった。








【「大石さんはレナの味方なんですよね?
だったら、私の話していることの重大さをわかってくれますよね………?」】



「なはははは、そこをどうか気長に御願いしますよ。わたしも定年間近ですから」








なんとか時間を引き延ばし、疲労させ音便に解決させたい警察側の大石。
しかし、なかなか要求が思うように進まないことレナはとうとう痺れを切らした。

電話口から聞こえる声に冷や汗が流れる。
時間稼ぎもそろそろ限界か。








【「大石さん」】



「はい?なんでしょうか………?」



【「蒼唯をココに連れて来てください」】








痺れを切らしたレナが強引に仕掛けてくるかと思いきや、飛び出したのは突然雛見沢から引っ越して行った天覇蒼唯の名前。
大石は驚いたように聞き返す。








「蒼唯って………、あの天覇家の蒼唯さんのことですか?」



【「そうだよ。蒼唯なら…、蒼唯ならレナのことをきっと信じてくれる。圭一くんと大石さんだけじゃ心細いし、大石さんには園崎家のことに集中してもらわないと」】








レナの口調がどこか柔らかかった。
それでも、今の彼女が狂っていることに何の変わりはない。








「彼女は都市部にいるんですよ?これからお呼び立てしても、来るのは早くても夜。下手したら明日になります」



【「今すぐ!早く連れて来てください!!
じゃないないとレナ………、誰か殺しちゃうかもしれませんよ?」】








レナの無茶苦茶な要求に周りの人間は悪態ついた。さすがの大石も、唇を噛み締め、拳を握り締める。

時間稼ぎは出来ない。
要求に応えることも出来ない。
となると、人質の命が危なくなる。















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