罪滅しの物語
□弍拾肆
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◇声◇
聞こえるのは、泣き声
暗闇の中を、いつまでもさまよっていた。
出口が見つからない。
道標になるような光が、見つからない。
独りが嫌いになったのは詩音が、ううん、魅音≠ェ全てを壊してしまったあの世界の後から―――――
みんながいなくなった。
悲しかった、寂しかった、苦しかった。
そして何よりも『怖かった』
独りが、とても怖いものになった。
独り世界に取り残されることが、独り世界に生き残ることが、嫌になった。
ボクが変わろうとしたのは、【それから】
本当はもっと前から変わろうとしていたのかもしれない。だけど、変われなかった。
誰も救えず、誰も守れず、ただ見ていた。
本当は変わったんじゃないんだ。
ただ、逃げていただけ。
ヒトと関わることを止めて、向き合うことを避け、世界から逃げた―――――
もう、そんなことは止めよう。
本当の意味で変わろう。
『祟殺しの世界』で独りになるとわかった時にそう決めたんだ。
ボクは、自分1人で雛見沢の外に行くことを決めた。1人は、独り≠カゃない。
この空の下にはボクのことを、
仲間として迎えてくれる場所がある。
仲間として接してくれることがある。
仲間として認めてくれるヒトがいる。
それで充分だった。
骸と出逢った時、ボクは恐怖した。それはボクの居場所が壊される気がしたから。
でも、骸と【この世界】で出逢って、一緒にいて、わかったことがある。
それは骸自身のこと。
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血だらけの部屋。
病院のような器具が散らばり。
そこに横たわる白衣やスーツの人間。
≪「やはり取るに足りない世の中だ。
全部、全部壊して仕舞おう……………」≫
そこに立つのは1人の少年。
瞳は赤と青、そして六≠フ文字。
≪「こんな世界、ボクは望まない………!!
繰り返されるだけの世界なんて、大嫌い。運命が変わることで、世界が壊れて仕舞うのならば―――――
世界なんて、壊れて仕舞えばいいんだ」≫
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ごめんなさい。
忘れていたことを許してください。
ごめんなさい。
罪を犯させたことを許してください。
ごめんなさい。
ボクが関わったことを許してください。
ただ謝ることしか出来ないボクを。
どうか、許してください―――――
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