罪滅しの物語


□弍拾参
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綱吉の言葉にフゥ太は頭を押さえた。
骸は鋭い目でそれを見ていた。








「(マインドコントロールを解く、一番望むこと≠言い当てたか)」








フゥ太の瞳に生気が戻り目に涙が浮かぶ。
そこにいたのはいつものフゥ太だった。








「ツナ兄……………」








フゥ太はそっと呟くと、そのまま意識を手放した。横たわるフゥ太は鼻から、耳から血が出ていた。








「彼はこの10日間ほとんど眠っていないようでしたしね。思えば最初から手のかかる子でした」








骸は蒼唯のいるソファーに寄ると、彼女の頭をそっと撫でる。
それはフゥ太に対しての冷遇とは異なり、とても優しい撫で方だった。








「我々はボンゴレ10代目の所在にあたりをつけて日本に来たのですが、特定には至らなかった。そこで10代目と顔見知りと噂のフゥ太くんに来てもらったのですが」








フゥ太は『沈黙の掟(オメルタ)』を守り、心を閉ざしてしまった。








「それで仕方なく以前につくられた並盛の喧嘩ランキングを使い、ツナとファミリーをあぶり出そうとしたんだな」



「欄外に蒼唯の名前を見つけた時は、予想外の再会≠ノ僕も驚きました」



「えっ!?欄外に蒼唯の名前!?」








骸が投げて寄越したランキング表に、確かに一位の雲雀の隣に蒼唯の名前があった。








「目論見は大成功でしたよ。現に今、蒼唯とボンゴレはここにいる」



「罪のないフゥ太をこんなにして………
六道骸、ヒトを何だと思ってんだよ!!!!」








綱吉は怒りを露にした。
骸はその様子を面白がりながら、蒼唯から離れ、綱吉を見る。








「彼女以外の人間など、ただのおもちゃ、ですかね」



「ふざけんな!!」








綱吉は鞭を握りしめ、再び骸へと向かって行く。骸は舞台の上からそんな綱吉のことを見下ろしている。








「まさかこの僕が、直接手をくだすことになるとはね」








骸の右目の数字が変わる。
六≠ゥら四≠ヨ。

舞台から下り立った骸の手には、いつの間にか武器が握られている。
一瞬にして傷だらけの綱吉は、自分の身に何が起きたのかわからない。















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