罪滅しの物語


□弍拾弍
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◇行方◇
探すモノ、探しヒト















バーズの鳥が飛んで来た建物へと足を踏み入れた綱吉達は、奥へと進んで行く。
所々階段が壊され、移動ルートを絞られている。自らの退路を絶つほどの自信だ。

綱吉の体が緊張で縮み上がっていく。








「ん?携帯が落ちてる………、壊れてら」



「あ!もしかして雲雀さんのかも!」








森で出逢った黒曜生の人質が、雲雀もどこか捕まっていると言っていた。携帯を見た綱吉は、思い出したように言う。








「雲雀さん……………
携帯の着うた、うちの校歌なんだよね!」



「なぁ!?ダッセー!!」








緊張感のない会話で一呼吸入れつつ、一同は奥へと進み非常用の梯子を見つけた。

その時背後聞こえた音に全員が振り返る。
そこに立っていたのは、ヨーヨーを構える少年、柿本千種だった。



その場に煙幕が立ちこめる。








「10代目、ココは俺に任せて、先に行ってください」



「獄寺君!!」








ダイナマイトを構える獄寺。ビアンキは、獄寺にシャマルのトライデント・モスキートで命をとりとめたことを伝える。








「また激痛をともなう発作が襲うわ。それでもやる気?」



「あたりめぇだ、そのために俺はいる」








獄寺の覚悟にビアンキは何も言わず、綱吉を先に行くように促す。








「行ってください!!10代目は骸を倒して、蒼唯の馬鹿を!」



「そりゃ、そうだけど………!!」








躊躇う綱吉に獄寺は笑った。








「事が全部終わったら、チビ蒼唯を連れて雛見沢に行きましょう」



「!!そ、そうだよね。行けるよね」



「もちッス!」








獄寺の言葉に安心したように綱吉は進む。
羽入は暫くその場に立っていた。
その気配を感じた獄寺は、羽入の方へと目を向けた。








「そこに、いるのか………?10代目と一緒に蒼唯の所に行けよ」



『!!で、でも隼人が独りに………!!』



「アンタは上に行くべきだ」








獄寺の言葉に羽入は迷いながらも、綱吉の後を追いかけた。

煙が晴れ、獄寺と千種が対峙する。
商店街での一戦以来。
互いに怪我をしていて勝率は五分五分。








「大人しく行かせてくれたじゃねぇか」



「骸様の、命令だ」








互いに武器を構える。
合図はなかったが2人は同時に仕掛けた。















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