罪滅しの物語


□弍拾
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バーズを倒した綱吉達の前に現れたのは、フゥ太だった。

森に逃げたフゥ太を追いかけ綱吉は、不思議な雰囲気を纏う黒曜生に出逢い、森の中で1人迷子になっていた。





ペタッ ペタッ ペタッ





後ろには足音。
でも、綱吉は何故か恐怖に思わなかった。むしろ、一緒にいてくれることが、1人ではないことが嬉しかった。








「……………俺、この戦いが終わったら、雛見沢に行きたいんだ」








綱吉は1人で話始める。羽入はビックリしながらもその話を聞いている。








「『オヤシロさま』の祟りなんて、本当は凄く怖いけど、蒼唯には笑っていて欲しいんだ。それに、『オヤシロさま』が事件の原因だなんて俺には思えない」



『!?』










羽入は足を止めた。

綱吉が雛見沢についてこれほど知っているとは、蒼唯のことをこれほど考えているとは、思っていなかったのだ。










『(綱吉は本当に不思議なヒトなのです。圭一と同じように、運命に立ち向かう強さを持っている。不思議な不思議なヒトなのです)』










目の前を歩く気弱な少年。
本当はとても優しく、何より争い事が嫌いで、仲間を大切に想う。
『大空』のような心を持つ少年。

羽入はそっと静かに微笑みを浮かべた。










『いつか、貴方達が雛見沢に来ることを、僕は待っていますのです』



「ぇ?」








小さな声≠ェ聞こえた。
優しい優しい声≠ェ。

薄暗い森を抜けた綱吉の目の前に飛び込んで来たのは、写真に写った男六道骸
そして、傷付き倒れる仲間達だった。















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