祭囃しの物語


□肆
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記憶のカケラ達が、呼応するように光を
放っている。暗闇の世界が様々な色に彩られていく。



先ほどまで見ていた彼女≠フ世界も、
色を取り戻したように光っている。

まるで宝石のような、光そのもののような無色透明の光。辺りに光っている世界の光を反射するような光。








「綺麗……………」



『彼女≠ヘ無色の炎を灯した。
無色故に全ての色に干渉する“風”の炎。カケラはまるでダイヤモンドのようね』









無色だから、全てに染まる……………
空が表情を変えるように、風は全てに干渉する。










貴女なら彼等の“風”になれる

不可能を可能に変える奇跡の神風に



私に出来なかったことが

貴女ならきっと出来る─────











ボクは彼等の“風”になれるだろうか?










貴様に覚悟はあるか?











覚悟なんて大袈裟なものはボクにはない。ただ、みんなに笑っていてほしい。

大切なヒトを裏切りたくない。





ボクは約束した。

嘘をつかないことを。
裏切らないことを。

みんなを信じる、仲間を信じる。








「みんなに、仲間に、大切なヒト達に
笑っていてほしい……………
そのためなら、どんなことでも出来る」








それを覚悟というのかはわからない。
覚悟が必要だと言うのなら、ボクは覚悟を力にしてみせる。










大切な者を、仲間を信じる心があれば

お前は“風”になれる



]世の力になってくれ

新たな“風”よ












暗闇の、いや彩られた世界に一筋の光が
射し込んだ。

新たな世界に廻る時が来たのだ。



振り返れば、彼女≠フ隣には男がいた。大切なヒトによく似た面持ちの、橙色の瞳の彼≠ェ彼女≠フ隣に立っていた。



彼女≠ニ彼≠ヘ再び巡り逢えた。
彼女≠ヘ一人じゃない。

カケラの世界で、彼≠ニ一緒にいることが出来る……………








「行こう、新しい世界へ」



『貴女や梨花にとって、最後の世界。
負けない、負けることの出来ない世界』









ボク等は負けない、諦めない。
運命に屈したりしない。

惨劇を、運命を、世界を、変えてみせる。望む未来へ行くために。
みんなが笑い合える世界へ行くために。



ボクは戦う。





ひぐらしのなく世界に、帰って来た。

祭がはじまる……………















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