皆殺しの物語
□拾陸
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◇集結◇
戦う者が集まる
指輪を諦めた隼人は勝利よりも、生きることを選んでくれた。
それが何より嬉しかった。
隼人がいなくなるかと思った時、悟史のことを思い出し、姿を重ねてしまっていた。
悟史は、きっとこの空の下で生きている。
沙都子を置いていなくなるはずない。
ボクはそう信じてる。
「羽入は、ここにいて」
『蒼唯!?どこへ………?』
焼け焦げるような匂いの中、ボクは図書室へ向かった。そこでは、身体中血だらけ、傷だらけになったベルが倒れていた。
「……………勝っても負けても構わないとボクは思っていた。勝負は確かに指輪を手にしたベルの勝ちかもしれない。だけど、隼人の負けの方がボクは嬉しいよ」
この世界からいなくならなかったことは、2人に対して嬉しいことだけど。
意識のないベルを少し引きずるようにして背負い、観覧席まで連れて行く。すると、機械人間がベルの体を小脇に抱えた。
「えっと、ありがとう………?」
「キュンキュィーン」
機械音で、何を言ってんのかわかんない。羽入は何で興味を持ったんだろ?
「明晩の勝負は、雨の守護者の勝負です」
武と、スクアーロの戦い……………
また嫌な予感がする。
今度こそ、戦いの中でどちらかの存在を失ってしまうことになるのだろうか。
それとも他の誰か。雛見沢で何かが起きる可能性も否定出来ない。
「レヴィ隊長!!校内に何者かが侵入しました!雷撃隊が次々にやられています!!」
考えに気を取られていた。
どうやら学校内に侵入者が入り込んだらしい。堂々と乗り込んでくるなんて、何者なのだろう。
羽入が何故か嬉しそうに笑った。守護者が集まってきているとリボーンは言う。
戦う仲間が、集まってきている?
「アイツが修行から帰って来たんだぞ」
「アイツ!?」
誰のことだろ?
ボクは嬉しそうに笑った羽入を見る。
「羽入は知ってるんでしょう?」
『蒼唯も、知っているヒトなのですよ』
ボクも知っている?
誰だろうかと考えていると、本人が目の前に姿を現した。
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