皆殺しの物語


□拾伍
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◇嵐戦◇
吹き荒れる疾風














やって来た隼人が、嬉しく悲しかった。

でも嘆かない。
ボクは未来を信じているから。








「今回は勝負に制限時間を設けます。試合開始から15分後、どちらかが嵐のリングを完成し、所持しなければ、ハリケーンタービンに仕掛けられた時限爆弾が順次に爆発し、この階を全壊します」



「そ、そんな………!?」








もし、時間内に勝敗がつかなければ、2人の命がこの世界から消えてしまう。

そんなの絶対に嫌だ!








「何だ?今のガラスの音は………、怪我人はいねぇか?」








間抜けた声がした。
現れたその男は、覆面の女の胸を揉む。
…………………………変態がいる。








「羽入、ボクはあんなヒト知らない」



『あぅあぅあぅ!蒼唯は逢わなくていいのですよ!あれは圭一と富竹と入江を足して3で割ったようなヒトなのです!』








……………ろくでもない大人だ。
マーモンがアイツは凄い、みたいな言い方してるけど、男としては腐ってんな。
(↑黒降臨!?)








「それでは勝負前にいつものいくぞ!!」



「俺の勝負に円陣なんていらねぇ!!」








楽しそうだな………、団結力か。
ダム戦争があった頃は大人子供関係なく、ただ雛見沢を守るためにみんなが団結していた。








「羽入、ボクの代わりに行ってきてよ」



『な、何を言いますのですか!ぼ、僕には無理なのですよ!!僕は触れないのですよ、綱吉達には視えないのです!喋れないし、話せないのですよ!』



「……………じゃあボクの代わりに綱吉達の傍にいてあげて」








羽入、君は忘れているよ。

彼等には君の姿が見えたじゃないか。
君の声が聞こえて、君の想いが届いていたじゃないか。








「彼等はきっと、受け入れてくれるよ」








この世界で学ぶのは、羽入かもしれない。羽入が学んでくれれば、それでいい。








「それでは嵐のリング
ベルフェゴールVS獄寺隼人

勝負開始!!!!」








生きて、帰って来てください。
またボクに、笑いかけてください。



戦いがはじまってすぐに隼人の爆弾が爆発した。煙が晴れると、宙を浮く刃が隼人を包囲していた。

あれは……………








「ちょこざいなことすんのやめとけって。誰相手にしてるかわかってんの?」








ちょこざいなことしてるのはベルなのに。
あれは魔法なんかじゃない。手品にすら、なりはしないよ。

突風が吹き荒れる。
隼人の爆弾が使えない。
ベルの刃も使えないはずなのに、刃は隼人に容赦なく飛ぶ。








「どうなってやがんだ!?まぐれか!?」








違う、あれは風の流れを読んでるんだ。

それに……………
仕組まれている種に気付いて、隼人!!















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