皆殺しの物語


□陸
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獄寺は家光のおかげにより大爆発を逃れていた。

見えていないものを諭そうする家光。
それを、獄寺は黙って聞いていた。








「それに、自分の命を守れねぇ奴が他人を守れんのか?」



「!!」








獄寺の脳裏に浮かんだのはシャマルが自分に何も教えてくれなくなった時の記憶。

そして気付いた。
自分に、何が見えていなかったのか。








「俺に見えてなかったのは………、自分の命だ……………」



「あんま傷だらけになるもんじゃないぞ、少年。その傷ひとつひとつが大切な奴の傷にもなるんだ」








家光はそういうと先ほど蒼唯を一人にした場所をチラリと見て、その場から去って行った。

蒼唯はもうその場にいない。



シャマルと向き合った獄寺は彼を家庭教師に再び修行を再開する。








「これでコンビが一通り揃ったな」








リボーンの言葉に綱吉は思い出したように辺りを見回す。








「(何で父さんがいたんだ?この辺で働いてんのか!?)」








真実を知るのは、まだ先の話。



少女は深く嘆く。
自分に何も出来ないことを無力さを。
見守ることさえも出来ない少女は、ただ空を見上げる。現実から目を背けるために。
それは、逃げているだけ……………















◇傍観◇end
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