雛見沢決戦編


□肆
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綱吉は目を覚ました。
目の前に広がるのは古ぼけた天井。
自分の部屋の、見慣れた天井ではない。

……………そうだ、今は雛見沢に来ていたんだ。



夢を、見た気がした。
誰かの誓いだったのかもしれない。

戦うと決めた小さな勇気。
仲間に歩み寄る最初の一歩。








「あれ………?」








周りを見回すと誰もいない。
敷き詰められた布団だけが残されている。
綱吉は起き上がり、そっと部屋を出た。

ココは神社の境内の裏にある屋敷。
今は使われていないが定期的に掃除させている古手家の本宅。
雛見沢に滞在する間、綱吉達にこの場所が提供された。








「ボス、おはよう」



「おはよう綱吉。ちょうど今起こしに行こうと思ってたところだったんだよ」



「え、あ、おはよう」



「昨日はよく寝れた?時々掃除はしてるんだけど、本宅は広いからね」








居間に行けば既に起きていた蒼唯が凪と共に朝食の準備をしていた。








「みんなは?」



「了平と武は走りに行っちゃった。隼人とランボは庭にいるよ。リボーンは梨花達を呼びに行ってくれたから、もうすぐ戻って来るよ」



「やっと起きたか、ダメツナめ」








背後からの不意打ち。
いつの間にか部屋にはリボーンがいた。
梨花、沙都子、そしてもう1人。








「あぅあぅあぅ、痛そう…なのですよ」



「多分実際痛いと思いますわよ」



「みぃ、痛いの痛いの飛んでけなのです」



「お、なんかいい匂いがすんのな!」



「極限に腹ペコだ!!」



「ランボさ〜ん、お腹空いたじょ」



「テメェアホ牛!!」








全員が揃った。
蒼唯は楽しそうに笑っていた。

あわあわとしながら、名前の知らない少女がとても嬉しそうにしているのを綱吉だけが気付いた。



しばらくして朝食の席についた。








「羽入は今日から学校だね」



「あぅ、あぅあぅあぅ」



「そんなに緊張しなくても大丈夫なのですよ。ぼくがいますのです。蒼唯達は今日はどうしますのですか?」








梨花の質問に蒼唯は首を傾げて考える。

戦うために、力になるために来た。
しかし、自分たちは詳しいことをまだ何も聞いていないのだ。








「今日は綱吉達と雛見沢を見て回るよ」



「あら、学校には行きませんの?」



「一応ボクは転校したことになってるからね。魅音もそれはわかってるはずだよ」








この場所で何をしなければならないのか。
まだ知らない。わからない。
ただ、力になってあげたいんだ。

少女が優しく微笑んでくれた気がした。



朝食を終えると梨花、沙都子、そして羽入と呼ばれていた少女は学校へ行ってしまった。















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