二人のオアシス。

□at the same time
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『魔法界の英雄ハリー・ポッター、例のあの人を倒す!』

こんな見出しが予言社新聞に出たのは、もう5年もまえの話だ。

ヴォルデモートとの死闘に勝って、完全に倒したハリーは今、魔法界でセブルスと一緒に暮らしていた。
ホグズミード村に一軒家を買って。

「セブルス、起きて!朝だよ。」
「そんなに大声を出さずとも、聞こえている。」
「なんだ。起きてたの。なら、早く仕度しなよ。」
「頭が痛くてな。」
「何風邪?」
「わからん。」
「寒気は?」
「少し寒いな。」
「オデコ貸して。」

僕は、セブルスのオデコに手をやった。

「うっわ。熱あるよ。解熱薬飲む?」
「それほどではない。」
「ほんと?」
「あぁ。もう仕度しなくては、遅れてしまうな。」
「セブルス、今日は寝てなよ。休んでいいから。」
「そうはいかん。私は魔法薬学の教師だ。教師が休んでは…くっ。」
「ほら、無理して起きようとするから。寝てなってば。」
「だが…。」
「はぁ…。じゃあ、これは命令だよ。」
「何?」
「セブルスは休まなさすぎだから、風邪が治るまで休暇を与えるよ。これは校長としての命令。」
「そう言われては、従うしかないな。」

そう、僕はホグワーツ魔法学校の校長になったんだ。
って言っても、仕事はそんなにない。
ダンブルドア先生がやってた、食事や行事の前の挨拶と教師の採用不採用を決めるだけ。
だから、校長兼闇の魔術に対する防衛術の教師だ。
セブルスは今も魔法薬学の教師をしている。
僕が雇った。
一時は、離れた僕達だったけど…僕はセブルスを許し、また付き合いだしたんだ。
デスイーターのセブルスはもういない。
全てが終わった時点で、もう全て消えたんだ。

「セブルス、食欲ある?」
「あまり食べたくはない。」
「なら、野菜とか具沢山のスープを作るようにドビーに頼んどくよ。だから、ちゃんと食べなよ。」
「分かった。」

家には屋敷しもべ妖精は居ない。
ドビーは元屋敷しもべ妖精だ。
今は仕事は同じだが、毎月バイト料をあげている。

「ドビー。」
「何ですか?旦那様。」
「セブルスが風邪引いちゃってさ。悪いんだけど、温かいスープを作ってあげてくれないかな?」
「分かりました。食欲が無いんですね?」
「そう。本当なら休む時間なのにごめんね。僕もう行かなきゃいけないからさ。頼んだよ。」
「かしこまりました。」

ドビーはとてもよく働く。
最初は、落ち着きがなくて考えなしなところがあった。
でも、今はとても頼れる使用人だ。
家の事は任せても平気なくらいだ。
それでも、僕は昔からの習慣で自分で出来ることは自分でしている。
掃除はドビーに任せているけど、洗濯と風呂掃除と料理は僕の仕事だ。
だから、キッチンとバスルームには絶対ドビーは僕の許可なく立ち入らない。

「じゃあ、行ってくるよ。」
「いってらっしゃいませ。」

僕はフルーを使って、校長室に行った。

朝、学校に行って真っ先にするのは書類の整理。
いちお学校の経営者としての役割もあるから、そういう書類には眼を通す。

「おはようございます。校長。」
「マクゴナガル先生。その呼び方やめてったら。」
「しかし、あなたはもう此処の生徒のハリーではありません。校長です。」
「そうだけど。あんまり校長って立場は、好きじゃないんだ。後任がいないから、仕方なくやってるだけで。」
「でも、私は適任だと思いますよ。それに、あんがい楽しんでるではありませんか。」
「まぁね。」
「そういえば、セブルスはどうしたのです?」
「最近の過労が祟って、風邪を引いたみたいなんだ。だから、置いてきた。」
「そうですか。よく、言うことを聞きましたね。」
「校長命令だって言ってきたから/笑。治るまで、休暇を与えるってね。」
「それはきかないわけにはいきませんね。」
「だろ?」

マクゴナガル先生は今も変身術の教師だ。
あまり、教師の顔触れは変えてない。

ただ、ドラコ・マルフォイを飛行術の教師として雇った。

今は、スリザリンの寮監だ。
ロンとハーマイオニーもそれぞれ、教師として働いてもらってる。

ロンは父親のアーサーの影響か、マグルに詳しい為、マグル学の教師として雇った。

ハーマイオニーは魔法史の教師だ。
ハーマイオニーのお陰で、魔法史は退屈じゃなくなった。

「では、校長。朝食に行きましょう。」
「うん。みんなを腹ぺこで待たせるわけにはいかないからね。」

僕は職員室に行った。

「ロン、ハーマイオニーおはよう。」
「おはようハリー。」
「おはよ。あれ?スネイプ先生は?」
「風邪引いたから、休ませた。」
「平気なの?」
「ドビーがいるからね。ハーマイオニー心配しないで。」
「そう。」
「さぁ、朝食に行こう。僕、腹ぺこだよ。」
「同じく。ハリー、本当に毎日何も食べないで来るよね。」
「うん。食事は土日以外は、ホグワーツで食べることにしてるからね。」

土日、祝日は授業はお休みにしてるんだ。
僕は、フルーを学校のどの暖炉からでも使えるようにした。
生徒ようにね。
これによって、今は授業が休みの日は実家に帰ってもいいことになってる。
今はほとんどの生徒がこれを利用している。
だから、休みの日は僕は家にいるんだ。
セブルスもそう。
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